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SJK が 2022年04月18日18時53分40秒 に編集

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美味しい焼き芋をトースターで作る(熱電対とリレーで)

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Digispark

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Arduino_IDE

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MAX31850K

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リレー

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熱電対

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# 概要 とある生化学の入門書のコラムで「サツマイモの持つβアミラーゼは至適温度が70℃付近であり、本加熱(250℃, 30分)の前に80℃くらいで数時間低温加熱をすることでねっとり甘い焼き芋を作れる」という記述を見かけ、試してみたくなりました。温調機能付きの高性能オーブンレンジはありますが、たかが焼き芋のために数時間占有するのは食事の準備に支障が出るので、朝食時にしか使わないオーブントースターに熱電対とリレーで簡易温調機能を導入しました。 # 使用したモジュール - Digispark互換ボード[micro USB版] オリジナルDigispark: http://digistump.com/products/1 今回使ったのは、Aliexpressで購入した互換品 - K型熱電対 秋月電子とか: https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-00306/ - Seeed Grove単線熱電対アンプ(MAX31850K) モジュール https://www.switch-science.com/catalog/4102/ - HW-307 リレーモジュール(5V駆動) Aliexpressで購入 # 開発環境 Arduino IDE v1.8.13 - 追加のボード: http://digistump.com/package_digistump_index.json - 追加ライブラリ: https://github.com/Seeed-Studio/Seeed_MAX31850K # 実装したこと 熱電対+熱電対アンプモジュールで温度を計測し、90℃以上でトースターの電源OFF、80℃未満でONをリレーモジュールにより制御した。 # 回路図 ![キャプションを入力できます](https://camo.elchika.com/fd3171fcf33eb07362c01243f686392b66d3438b/687474703a2f2f73746f726167652e676f6f676c65617069732e636f6d2f656c6368696b612f76312f757365722f35386366623661372d613337392d343635322d383130622d6464656637363663303337632f37663730663434652d633536642d343036652d623433632d653239313766613138393831/) # 外観 ![キャプションを入力できます](https://camo.elchika.com/a44a354346eb168c736cb27f22460e0813cdd96a/687474703a2f2f73746f726167652e676f6f676c65617069732e636f6d2f656c6368696b612f76312f757365722f35386366623661372d613337392d343635322d383130622d6464656637363663303337632f34623130643931322d326132362d343931342d623239352d303665383833653536333738/) # 設置例と調理手順 ![キャプションを入力できます](https://camo.elchika.com/12106f58d46656a374b08d2e89f1d2f266b0fbb9/687474703a2f2f73746f726167652e676f6f676c65617069732e636f6d2f656c6368696b612f76312f757365722f35386366623661372d613337392d343635322d383130622d6464656637363663303337632f32653764353739662d653662392d343038322d613936362d646566326631323666623937/) - トースターのタイマーはガムテープで固定し、別途キッチンタイマーで2時間半計測。 - 熱電対の先は、芋を包んだアルミホイルに巻き込む。 - 低温調理後は、機材を取り外しフルパワーで30分本加熱。 # スケッチ ```arduino: #include <OneWire.h> #include <DallasTemperature.h> #define ONE_WIRE_BUS 0 #define Relay 1 OneWire oneWire(ONE_WIRE_BUS); DallasTemperature sensors(&oneWire); void setup(void) { sensors.begin(); } void loop(void) { sensors.requestTemperatures(); float temp = sensors.getTempCByIndex(0); pinMode(Relay, OUTPUT); delay(1000); if (temp > 90 ) { digitalWrite(Relay, HIGH); } else if (temp < 80) { digitalWrite(Relay, LOW); } } ``` - digistumpのボードを追加すると同時にdigistumpのOneWireライブラリが、 C:\Users\\\"username"\AppData\Local\Arduino15\packages\digistump\hardware\avr\1.6.7\libraries\OneWire に自動的に作られます。 これがあると追加したSeeed_MAX31850KライブラリのOneWireライブラリと競合してコンパイルが失敗します。ですので、コンパイル前に上記OneWireフォルダを削除するか、一時的に別の場所に移動することで競合を避ける必要があります。 - Digisparkは「ArduinoIDEでプログラム転送をかけてからUSBを挿す」という手順で書き込みます。中華互換ボードは手順を踏んでも書き込めないときもありますが、USBポートを変えたり、USBケーブルを変えたり、USBを挿すタイミングを変えると上手くいくかもしれません。 # 実際に使ってみて 芋の種類と設定温度や加熱時間を色々試行錯誤しました。ほくほく系の芋は長時間低温加熱しても完全に糖化することはできませんでした。 一方しっとり系の芋は中心まで糖化が進み、芋羊羹のような甘さと柔らかさをもつ焼き芋に仕上がりました。 ![五郎島金時(ほくほく系)](https://camo.elchika.com/7a225338b691d137dd47284bfecc279a617ecfad/687474703a2f2f73746f726167652e676f6f676c65617069732e636f6d2f656c6368696b612f76312f757365722f35386366623661372d613337392d343635322d383130622d6464656637363663303337632f63373565326164662d383930612d346334642d613465622d326462666630623336373139/) ![紅まさり(しっとり系)](https://camo.elchika.com/2b3e8a3395144cbdb5176b5a8225bd7b30ce0b48/687474703a2f2f73746f726167652e676f6f676c65617069732e636f6d2f656c6368696b612f76312f757365722f35386366623661372d613337392d343635322d383130622d6464656637363663303337632f34363533383865342d336434312d343237362d393066392d343964626338323436373634/) - 熱電対アンプモジュールが数千円するのでコスパは良くありませんが、Max6675を搭載したアンプモジュールに変えれば熱電対とセットでAmazonやAliexpressで安価に手に入ります(SPI接続)。また最近は、温調機能付のオーブントースターも比較的安く手に入るので、新規にトースターから購入するならそちらの方が良いと思います。 # 参考(芋の種類と系統) - しっとり系さつまいも: 紅まさり、シルクスイート、めんげ芋、ひめあやか、アメリカ芋など - ほくほく系さつまいも: 紅あずま、紅こまち、パープルスイートロード、紅こがね、鳴門金時、紅さつま、とみつ金時、宮崎紅、佐原金時、あけの金時、五郎島金時など - ねっとり系さつまいも: 安納芋、紅はるか、紅天使、甘太くん、いもジェンヌ、紅優甘、クイックスイートなど