mtyk1t が 2020年11月19日21時56分21秒 に編集
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3DプリンターでDIPピン矯正器を作った
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3Dプリンター
治具
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DIPパッケージのICは、足が少し広がった状態で売られています。  しかしこの状態では、基板上のDIPのフットプリント、DIPソケット、ブレッドボードなどに挿入することができないので、少し縮めて真っ直ぐにしてやる必要があります。 指で押したり、ペンチで挟んだり、机の角に押し付けたりと、手でやることもできますが、真っ直ぐにならなかったり、力加減を間違えて曲げすぎてしまいがちです。 専用の工具「[サンハヤト ピンそろった](https://www.amazon.co.jp/dp/B00J2QNWI0)」や  「[HAKKO DIPLINER](https://www.hakko.com/japan/products/hakko_dipliner.html)」という製品もありますが、  結構なお値段がします。 なので、3Dプリンターで自作してみることにしました。 # 試作第1号 「ピンそろった」のように挟む構造が使いやすそうですが、部品点数が増えるので設計も製造も面倒、ということで、1ピース構造にできないかと考えました。そこで、溝に差し込んで滑らせることでピンを曲げればいいのでは、と思いつきました。実はこの時は、 HAKKO DIPLINER のことは知りませんでした……。  試作第1号を作りましたが、残念ながらうまくピンをまっすぐにできませんでした。 1. 溝の横幅を完成品の幅と同じにしたが、ピンの弾性変形により、少し戻ってしまうため真っ直ぐにならない 2. 溝の出口ですぐ外に出る形状にすると、後ろから力がかかった状態で宙に浮いてしまうため、後ろの方のピンが斜めに曲がってしまう # 試作第2号  試作第2号は第1号の反省から、溝の狭まった部分を中央に配置し、押し出した後に遊びとなる空間ができるようにしました。また、溝の幅を完成品より狭く 7.5mm としました。 [使ってみたビデオ](https://twitter.com/mtyk1t/status/1328349845023649798) これはこれでうまくいきましたが、まだ不満点がありました。 1. 押し込むときの摩擦力が強い 2. 真っすぐより少し内向きになってしまう # 試作第3号  試作第2号の問題の原因は、幅が狭すぎることと、最も狭い部分の全長が長過ぎることです。 そこで、幅を 7.6mm とわずかに広げ、最も狭い部分を1点だけとし、また FreeCAD のロフト機能で滑らかにつなぐことにしました。 結果は大成功です。まだちょっと摩擦が強い感じがありますが、使っているうちに金属のピンがPLAを削ってしまうので、これ以上幅を広くするとすぐにユルユルになってしまうでしょう。 ピンが真っ直ぐになるのが気持ちよくなってしまい、気がつくと手持ちのDIPを10個以上突っ込んでしまいました。 この第3号のSTLファイルは [thingiverse](https://www.thingiverse.com/thing:4656375) にアップロードしています。皆さんも是非プリントして使ってみてください。