rily が 2026年08月28日21時40分51秒 に編集
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私が過去に設計して使っていた、ディスクリートなヘッドホンアンプの回路図を載せておこうと思います。シンプルに電流の流せるオペアンプをICを使わずに設計しました。 回路 = こちらが回路になります。  一段目の入力にJFETを用いており、東芝の2SK2145BLを用いました。二段差動方式で大きなオープンループゲインを取り、三段目をフォールテッドカスコード回路にすることで出力電圧を大きく取っています。 使用したトランジスタ = 基本的なトランジスタ - 
 
 
  基本的にいずれのトランジスタも小信号用の2SC1815/2SA1015などの小信号用低雑音トランジスタを用いましょう。私は2SC1740/2SA933を用いました。 特に二段目差動増幅用と三段目カレントミラー用トランジスタは、ベースエミッタ間電圧VBEが近いものを選別して使いましょう。じゃないと出力オフセット電圧を合わせるのが大変です。 励振段トランジスタQ8.Q9も上記の小信号用を使いましたが、パワーアンプとして設計したいならば1W~10Wぐらいのトランジスタを用いましょう。 トランジスタ(二段目カスコード) -  こちらにカスコードを用いた理由は、周波数特性の良い小信号用トランジスタを使いつつ、そのトランジスタの発熱を抑えたかったからです。 このトランジスタはVcc-Vee付近の電圧がかかり、かつ1W以上のトランジスタを使ってください。 トランジスタ(フォールテッドカスコード回路) -  Q4,Q6にが基本的に1W以上のトランジスタを用いましょう。 出力段 = 出力段用トランジスタ -  この部分はスピーカーを直接駆動するトランジスタになります。そのためアンプの出力以上のトランジスタを用いましょう。自分はTTC3710B/TTA1452Bにしました。 出力段用バイアス回路 -  Q7のVBEとR7とR8で決まります。Q7のVBEが0.65Vとして、Q7のVceがバイアス電圧Vbだとすると大体 $${V_b=V_{CE}\simeq 0.65(1+\frac{R_7}{R_8})}$$ になります。 出力段のアイドリング電流 -  先程バイアス電圧が求まりました。この電圧から励振段トランジスタのVBEと出力段トランジスタのVBEを差し引いた電圧がR23,R24に掛かりアイドリング電流が求まります。なのでアイドリング電流Iiは $${I_i\simeq\frac{V_b-(V_{BE(Q8)}+V_{BE(Q9)}+V_{BE(U1)}+V_{BE(U3)})}{R_{23}+R_{24}}}$$ で決まります。大体Q8,Q9のVBEは小信号トランジスタを用いたとき0.6~0.7V、U1,U3に大電力向けトランジスタを用いた場合0.5~0.55Vになりました。 二段目-三段目位相補償用コンデンサ =  二段目(三段目)でトランジスタでの増幅を行う関係で、応答が遅れて位相ずれが発生します。そこでC1,C4,C15を入れて、高周波成分を帰還させて減衰させます。これを入れないとCf2を入れようがなかなか発振が止まりません。Cf2を増やしてもまだ発振したり不安定ならば、このコンデンサの容量を増やしましょう。自分は中々安定させられずに泣き寝入りしました。 定電流ダイオード =   どちらも定電流ダイオードを使います。 I3は0.1mAのものを使いました。 I2は10mAのを使いましたが、ロスが大きいので5mAにしてR11を22kΩにしても構わないと思います。 増幅率(ゲイン) = この回路をそのまま考えると、非反転増幅回路になります。Cf2が無いと仮定すると、 $${G=\frac{V_{out}}{V_{in}}=1+\frac{R_{f2}}{R_{f1}}}$$ ですね。 そして位相補償用のCf2がRf2に並列なので、 $${G(\omega)=1+\frac{R_{f2}}{R_{f1}(1+j\omega C_{f2}R_{f2})}}$$ となります。積分要素があるので、各周波数ωに比例してGが減衰していくことになります。ただしこれは**内部のトランジスタの寄生容量などによるゲイン特性を無視した値**になります。 また位相余裕も求めれるように、位相差φも求めておきますね。 元の位相がθ0、目標の位相がθ1だとしたら $${\phi=\theta_1-\theta_0}$$ として $${\phi=\arctan(-\omega C_{f2}R_{f2})}$$ つまり $${C_{f2}=-\frac{\tan(\phi)}{\omega R_{f2}}}$$ このφから、ボード線図上で位相余裕が足りないときに必要なCf2を求めることがなんとなくわかります。