labubu が 2025年09月04日18時41分12秒 に編集
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高周波PCB積層の材料選定とプロセス協調技術|高周波PCB設計ガイド
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積層PCB
Rogers材料
FR-4
高周波伝送損失
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高周波PCB(積層PCB)は、10GHz以上の高周波信号伝送において、材料選定とプロセス管理が性能に直結します。本記事では、高周波PCBの積層設計における材料パラメータ、基材選定、銅箔・プリプレグ(PP)選定、およびプロセス協調技術について解説し、実務に役立つポイントを紹介します。  1. 高周波PCB積層における材料パラメータの重要性 高周波PCB設計では、基材の誘電率(Dk)、誘電正接(Df)、銅箔粗さ(Ra)、Tgなどのパラメータが信号伝送性能に直結します。特に10GHz以上の信号では、以下の条件が推奨されます: Dk:安定かつ低め(Dk≤3.8@10GHz)、偏差±0.05以内、周波数1〜40GHzでDk変動≤5% Df:極低(Df≤0.004@10GHz)、Dfを0.001下げるごとに28GHz信号の伝送損失を10mmあたり0.05dB低減 銅箔粗さ Ra:≤0.1μm(高周波ではスキン効果が顕著で、粗さ増加は損失増加の原因) 環境耐性:5G基地局では85℃/85%RH耐性、衛星通信では-55〜125℃耐性と放射線耐性 高周波PCBにおける材料選定の不適切は、伝送損失を50%以上増加させる可能性があります。メーカーは「材料パラメータと高周波性能の相関モデル」を活用し、最適材料を選定することが重要です。 2. 高周波PCB積層の基材選定 (1) 高周波用途別基材 5G基地局・ミリ波(28/39GHz):Rogers 4350B、Taconic TLX-8 Dk=3.48±0.05@28GHz、Df=0.0037@28GHz、Tg=150℃ 28GHz信号100mmの伝送損失は2.8dB(一般FR-4は5.6dB) 高速シリアル通信(PCIe 5.0 32Gbps、DDR5):生益 S1000-2、松下 R-1515 Dk=3.8±0.05@10GHz、Df=0.004@10GHz、Tg=170℃、Ra=0.08μm コストを抑えつつ高周波安定性を確保 射頻モジュール(2〜5GHz):Rogers 4003C、生益 S9100 Dk=3.55±0.05@5GHz、Df=0.0027@5GHz、Tg=140℃ 低Dfで5GHz信号損失を最小化 衛星通信・高温環境(-55〜125℃):Rogers RT/duroid 5880、ポリイミド基材 Dk=2.2±0.05@18GHz、Df=0.0009@18GHz、耐放射線100krad 超高周波信号に最適、耐環境性に優れる (2) 基材厚さとインピーダンス設計 微帯線50Ωの場合(Dk=3.8): H=0.1mm → W=0.18mm H=0.15mm → W=0.22mm H=0.2mm → W=0.26mm 厚さ偏差±0.005mmでインピーダンス偏差±1Ω 多層積層では、高周波信号層に低Df基材、電源層・低速信号層にFR-4を組み合わせ、Tg差≤30℃で剥離防止 3. 高周波PCB積層の銅箔・プリプレグ(PP)選定 (1) 銅箔 タイプ:VLPまたはRTF、Ra≤0.1μm 厚さ:35μmで28GHzスキン深さ対応、グランドプレーンは70μm 効果:VLP銅箔で伝導損失を30%低減 (2) プリプレグ(PP) 誘電特性:基材に一致(偏差≤±0.1)、Df≤0.004 流動性と厚さ:流動度15〜25%、層間隙≤0.05mm、気泡率≤0.1%、総厚偏差≤±5% 4. 高周波PCB積層のプロセス協調 (1) ラミネーション 昇温1〜2℃/min、固化180℃±2℃、保温60±5分 圧力30±2kg/cm²、層間空隙≤5μm 超音波測定で厚さ偏差≤±3% (2) ドリル加工 孔径≤0.2mmはレーザードリル推奨、精度±1μm、Ra≤0.5μm バックドリルで残孔長≤0.1mm、寄生容量0.2pF→0.1pF (3) 表面処理 高周波信号パッドは金めっき推奨(金0.1μm、Ni 2μm、接触抵抗≤50mΩ) 地平面・シールド層はOSP可(厚さ≤0.5μm) まとめ 高周波PCB積層では、材料選定(基材、銅箔、プリプレグ)とプロセス管理(ラミネーション、ドリル、表面処理)が高周波伝送性能に直結します。適切な設計と精密な製造により、10GHz以上の信号でも最小損失で伝送可能です。