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イーサネット

ネットワーク通信方法のひとつ。LAN接続の際に使用されることが多く、LANとほぼ同義語である。端子が搭載されているマイコンボードもある。

概要

イーサネットとはネットワーク通信方法のひとつで、LAN接続方式として最も普及している通信方法である。

イーサネットはLAN接続に使用される用途がほとんどなので、だいたいの場合イーサネットはLANのことを指していると思ってよい。

特徴

イーサネットはLANで採用されている通信方法である。

イーサネットでは、LANに接続されたパソコンに優先順位はついておらず平等かつ自由なデータ送信が可能である。

複数のパソコンから送信されたデータは衝突すると破損してしまうため常に監視し、破損した場合は再送するのもイーサネットの特徴。

LANによるデータ通信はTCP/IPプロトコルとイーサネットで行われる。

名称の由来

「Ether」の語源は、19世紀以前の物理学で空間に充満していると仮定されていたエーテルという物質に由来する。エーテルの存在は現在では否定されている。

歴史

1972年にゼロックス社のロバート・メトカーフとデイビット・ボッグズによって発明され、1980年にIEEEの802.3分科会によってオープン規格として発表。それ以来多くのパソコンに取り入れられ、現在では標準的なネットワーク規格として定着している。

開発当時の伝送速度は10Mbpsだったが、100Mbpsのファストイーサネットや1GMbpsのギガビットイーサネットなど、高速化した仕様も登場している。

仕組み

イーサネットはブロードキャストで、アクセス制御方式はCSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)である。

この方式では、コンピュータはインターネットに接続する権利を平等に持っているため、2台以上のコンピュータが接続されたネットワークでは、メディアが空き次第データを送信する仕組み。

タイミングによって、データが衝突し破損する可能性もある。その場合に備えて衝突の検知、破損したデータの再送も行う。

種類

イーサネットは伝送速度で分類されている。

単位は「bps」。bits per secondの略で、1秒間に転送できるデータ量・ビット数を表す。

イーサネット

イーサネットとは、10Mbpsの伝送速度で通信するイーサネットのこと。現在では高速通信に置き換わりつつある。

以下の種類がある。

  • 10BASE5
  • 10BASE2
  • 10BASE-T

ファスト・イーサネット

1995年に導入されたファスト・イーサネットとは、100Mbpsの伝送速度で通信するイーサネットである。

ノーマルのイーサネット10BASE-Tとの互換性があるため、そのまま使える。

種類は以下の通りである。「100BASE」は一般的に「ひゃくべーす」と読む。

  • 100BASE-T2:カテゴリ3のUTPケーブル内の2対4線を使用。IEEE802.3yとして標準化
  • 100BASE-T4:カテゴリ3のUTPケーブル内の4対8線を使用。IEEE802.3uとして標準化
  • 100BASE-TX:カテゴリ5のUTPケーブル内の2対4線を使用。IEEE802.3uとして標準化、最も普及している
  • 100BASE-VG:トークンリングの改良で高速化
  • 100BASE-VG AnyLAN:トークンリングの改良で高速化
  • 100BASE-FX:光ケーブルを上り下りの2本使用。波長として1300nmと850nmを使うものがある。IEEE802.3uとして標準化

ケーブルの材質によって伝送可能距離が異なり、UTPケーブルは100m、光ファイバーは412mまで可能である。

最も普及している100BASE-TXは10BASE-Tとの互換性が高く、従来製品にそのまま使えるのが特長。

また、100BASE-T2、100BASE-T4、100BASE-TXをまとめて「100BASE-T」と呼ぶことがある。

ギガビット・イーサネット

1998年に開発されたギガビット・イーサネットは、最高速度1000Mbps=1Gbpsで通信する高速イーサネットのこと。「GbE」とも表記される。

この通信により、それ以前のファスト・イーサネットの10倍速い通信が可能になった。

種類は以下の通り。1000BASE-Tが最も普及している。

  • 1000BASE-T(ツイストペア)(IEEE802.3ab)UTPケーブル
  • 1000BASE-CX(ツイストペア)(IEEE802.3z)同軸ケーブル※特殊
  • 1000BASE-LX(光ファイバー)(IEEE802.3z)光ファイバー:5km
  • 1000BASE-SX(光ファイバー)(IEEE802.3z)光ファイバー:5km

また、ギガビット・イーサネットより速い10Gbpsで通信可能な「10GBASE-T」も存在する。

カテゴリー

イーサネット接続に使用するLANケーブルは、伝送速度と帯域幅によって、いくつかのカテゴリーに分類されている。CAT6やCAT6aが一般的である。

種類 伝送速度 帯域幅
CAT5 100Mbpsまで 100MHz
CAT5e 1Gbpsまで 100MHz
CAT6 1Gbpsまで 250MHz
CAT6a 10Gbpsまで 500MHz
CAT7 10Gbpsまで 600MHz

参考