LPWA
少ない消費電力で長距離通信ができる無線技術の総称。その特徴からIoT事業に導入されることが多い。NB-IoTやLoRa、Sigfoxなどがこれに該当する。
目次
概要
LPWAとは、低消費電力で長距離通信ができる無線技術のこと。
「Low Power, Wide Area」の頭文字をとったもので、これに「Network」の「N」を加えて「LPWAN(えるぴーわん)」と呼ぶこともある。
明確な定義はなく、条件を満たせばLPWAと呼ばれる。
種類
LPWAは、使用する周波数帯によって「セルラー系」と「非セルラー系」の2つに分けられる。
セルラー系LPWAとは、3GPPが標準化推進している携帯電話向け周波数帯のことで、取り扱うには総務省が発行する無線局免許が必要である。それ以外のLPWAを非セルラー系LPWAと呼ぶ。
また、利用する際に無線局の免許が必要かによって「ライセンスバンド」と「アンライセンスバンド」と分類する場合がある。
本来、日本で無線を使用する場合は無線局免許が必要である。しかし、「ISMバンド」と呼ばれる920~928MHzの周波数帯域では、産業・科学・医療の分野で活用するという名目であれば免許なしで自由に使っていいことになっている。
ISMバンドの帯域には非セルラー系LPWAに分類される通信方法が多く、IoT電子工作への活用も期待されている。ただし非セルラー系である「FlexNet」は例外で、ISMバンドではない280MHz帯を使用するため、免許が必要である。
また、LPWAに様々な規格が乱立しているのは、3GPPやIEEEといった周波数帯域を管理している団体がそれぞれにLPWA通信を推し進めているためである。
セルラー系LPWA
- NB-IoT
- LTE Cat.0
- LTE-M(LTE Cat.M1、eMTC)
- EC-GSM-IoT
非セルラー系LPWA
導入において
ひとくくりにLPWAと言っても通信方法によってそれぞれ特徴を持っているため、用途や目的によって使い分けるのがよいだろう。
LoRaやSigfoxなど通信料金が発生しない方法は、運用費用に余裕がない場合や、試しに使ってみたい場合などにおすすめである。
一方でLTE回線を利用した通信では通信料金が発生するが、安全性が高く送信可能なデータ容量も大きいというメリットがある。
また、通信料金が発生するといっても、Wi-FiやLTEなどに比べればはるかに安く導入・運用できる。