はじめに
この記事はRaspberry Piで小型LCDを動かすの第3弾です。
Raspberry PiでILI9341というLCDを動かす方法がいくつかあったため、以下の4つの方法についてそれぞれまとめています。
方法1.pythonからSPI接続したディスプレイに表示する
方法2.pythonでフレームバッファに直接書き込み
方法3.fbiを使って静止画を表示
方法4.MPlayerを使って動画を表示
この記事では方法3と4についてまとめています。
まとめ
今回はデバイスツリー上でILI9341を認識し、アプリを使って静止画や動画を表示させました。
お手軽に使うにはこれもアリかと思います。
ILI9341はサブディスプレイとして使いたいのですが、
使用したLCD
今回はよく見かけるSPI接続タイプの小型LCDを使用しました。
よく似たLCDでも、ドライバICが異なるとライブラリが使用できない場合があるため注意が必要です。
今回はドライバにILI9341を使っている2.2inch 320x240サイズのTFT LCDを使用します
ライブラリにはadafruitのライブラリを用います。よく使われるドライバに対応しているライブラリですがLCDのインスタンスの読み込みに微妙な違いがある様ですので、他のドライバのLCDを使用する際はご注意ください。
Raspberry Pi
Raspberry Pi は4Bで32bit版 Raspberry Pi OS(Bullseye)を使用しました。
64bit版を使いたいところですが、まだ64bit版に対応できていないライブラリも多くあります。使用用途や環境が限定的かつ64bi対応済みならば64bit版でも良いのですが、古くからあるデバイスやアプリを使うときには32bit版、場合によっては最新のBullseyeではなくLegacy版(Buster)の方が良い場合もあります。
今回使用するLCDやドライバ群は比較的昔からあるものなので、32bit版を使用してトラブルを回避します。
接続方法
Raspberry Piとディスプレイの接続は次の通りです。
ili9341の場合
LCD | Raspberry Pi |
---|---|
SDO/MISO | 21:GPIO9(SPI0 MISO) |
LED | 12:GPIO18 |
SCK | 23:GPIO11(SPI0 SCLK) |
SDI/MOSI | 19:GPIO10(SPI0 MOSI) |
DC/RS | 18:GPIO24 |
RESET | 16:GPIO23 |
CS | 24:GPIO8(SPI0 CS0) |
GND | 9:GND |
VCC | 17:3V3 |
バックライトを点灯させ続けるならLEDは3V3ラインにつなげておいてもOKです。
今回はバックライトのON/OFFも制御したいのでGPIOに接続しています。
前準備
まずはRaspberry Piの設定を行い、必要なモジュールをインストールします。
ライブラリの準備
まずはパッケージを最新状態にしておきます。
sudo apt-get update
sudo apt-get upgrade
続いてopencvとlcdのモジュールをインストールします。
lcdを動かすだけならopencvは不要ですが、今回はUSBカメラ画像を表示する際にopencvを使用します。
2023/1/13現在、pip install opencv-pythonではうまく入らいないのでapt で入れます。
sudo apt-get install python3-opencv
fbiをインストールする
fbiを使うと、ili9341に静止画を表示できます。
sudo apt-get install fbi
mplayerをインストールする。
mplayerを使うと、ili9341に動画やカメラ画像を表示できます。
sudo apt-get install mplayer
デバイスツリーからili9341を有効化する
python内でSPI接続するのではなく、デバイスツリーを書き換えてili9341を有効化します。
sudo nano /boot/config.txt
エディターでconfig.txtを開き、最後に次の一行を追加して保存します。
dtoverlay=rpi-display
保存するにはctrl+x>y>enter
config.txtが編集できたら、rebootしてディスプレイが認識されているか確認します。
lsmodで確認すると、ili9341が認識されています。
$ lsmod | grep ili9341
fb_ili9341 16384 0
fbtft 45056 1 fb_ili9341
lsコマンドで見ると、デバイスツリーにfb1ができています。fb0が通常のディスプレイ用、fb1がili9341のフレームバッファです。
$ ls -al /dev/fb*
crw-rw---- 1 root video 29, 0 Jan 13 20:58 /dev/fb0
crw-rw---- 1 root video 29, 1 Jan 13 20:58 /dev/fb1
fbsetコマンドで見ると、320x240サイズで設定されています。
fbset -fb /dev/fb1
mode "320x240"
geometry 320 240 320 240 16
timings 0 0 0 0 0 0 0
nonstd 1
rgba 5/11,6/5,5/0,0/0
endmode
ILI9341に静止画を表示する
****.jpgの部分に表示させたいファイルを指定すると静止画が表示されます。
表示している間はraspiが動かないので、リモートログインしている場合は要注意です。(リモートからのコマンドも受け付けなくなります)
sudo fbi -nocomments -noverbose -a -T 1 -d /dev/fb1 ****.jpg
ili9341に動画を表示する
sudo mplayer -vo fbdev2:/dev/fb1 -x 320 -y 240 -zoom ****.mp4
#ili9341にUSBカメラ画像を表示する
sudo mplayer tv:// -vo fbdev2:/dev/fb1 -x 320 -y 240 -zoom
おまけ
LCDに表示した画像を消す際はバッファをNullで塗りつぶしときましょう。
dd if=/dev/zero of=/dev/fb1 > /dev/null 2>&1
mplayerで動画をサイズ修正無しで再生するときは
sudo mplayer -vo fbdev2:/dev/fb1 ****.mp4
無限ループ再生するなら
sudo mplayer -vo fbdev2:/dev/fb1 ****.mp4 -loop 0
投稿者の人気記事
-
airpocket
さんが
2023/01/31
に
編集
をしました。
(メッセージ: 初版)
ログインしてコメントを投稿する