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H 2021年02月27日作成
製作品 製作品 閲覧数 1296
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電波通信式ブザー

1.はじめに
 2階で部屋を閉め切って暖房・空調を付けていると、1階にあるインターホンの音が聞き取れない場合があります。郵便物を取りに行って初めて不在者票を見つけ、慌てて再配達を依頼することがありました。インターホンの音量を最大にしても、セラミックファンヒーターの音にかき消されてしまいます。
キャプションを入力できます
そこで、インターホンが押されると2階に置いたブザーが鳴る装置を考えました。

2.コンセプト
 ①インターホン本体は改造しない
 ②1階から2階への通信は電波で行う
 ③ほとんどが待機状態なので、待機電力をミニマムにする

3.参考にしたもの
 ・エレクトロニクス製作アイデア集 ⑥ホーム・エレクトロニクス編 
   中山昇氏 著 CQ出版社 1995年初版
  →153~156ページ「自動施錠解除装置」
   ※本誌中の受信機のC2=1μFですが、多分誤植です。このままだと100Hz程度しか受信
    できません。0.068μF~0.1μFに変更すると1kHzを受信できます。

エレクトロニクス製作アイデア集 ⑥ホーム・エレクトロニクス編
 ・タイマーIC 555応用回路集 トランジスタ技術2011年1月号別冊付録 
   久保大次郎氏/宮崎仁氏 編著 CQ出版社 2011年発行
  →18ページ「1万倍以上の可変範囲を持つデューティ50%の方形波発振回路」
タイマーIC 555応用回路集

4. 回路概略
<送信機>
  インターホンの液晶面をCdSセルで明暗読み取り
       ↓
  オペアンプ358をコンパレーターとして使用し、明暗判定
       ↓
  インターホン「明」判定するとタイマーIC 555で1kHz発振
       ↓
  90MHzのFM波に555で作った1kHzを乗せ電波発信

※余ったオペアンプで電源電圧低下検知

<受信機>
  FMラジオの空きバンドでFM波受信
       ↓
  イヤホンの電線で出力
       ↓
  トーンデコーダー567で1kHzを判別
       ↓
  トーンデコーダーの8ピンが1.2V→0Vに変化
       ↓
  トランジスタで反転
       ↓
  タイマーIC 555の電源をONにして、リセットピン(4番)をHighにする
       ↓
  タイマーIC 555が発振してブザー音を出す

5.回路
<送信機>
 送信機全体回路

明暗検知部

電源電圧低下検知部

電源部+発振部

FM波発生部
  
コイルL1(手巻き)

送信回路写真

手巻きコイル接写

あまり上手くコイルが巻けていなくて恥ずかしいですが、周波数は安定しています。エナメル線はφ0.4を使っていますが、入手できるならもっと太い方が巻き易く崩れ難いと思います。

<受信機>
受信機全体回路

受信機電源部

FMラジオからトーンデコーダー567へ

反転+ブザー音発生

受信機

<ハード>
CdS実装用カバー

CdS拡大

インターホンに実装

6.動作状況
 試運転
  試運転(入力はテスト用タクトスイッチで代用)

実装
  実装(撮影のため送信機をインターホンの上に載せています)

7.消費電力
<送信機>
  待機電力を1.2mAに抑えることができました。オペアンプ358Nの消費電力(0.5mA)+
 緑LED(0.7mA)。緑LEDは電圧低下検知の基準電圧とパイロットランプを兼ねていますが、
 高輝度LEDを使い、もっと電流を絞った方が良いと思いました。

<受信機>
  待機電流8mAでした。トーンデコーダー567を常時ONにしておかないといけないので、
 なかなか絞れませんでした。

8.最後に
  ・トーンデコーダー567を初めて使用しました。「5番ピンに接続する抵抗は2~20kΩ」
   というデータシート情報を見ずに33kΩ(半固定抵抗)+10kΩ(固定抵抗)を付けると受信が
   不安定でした。やっぱりデータシートは良く読まないといけないですね。
  ・受信機はタイマーIC 555の電源をトランジスタで制御しているので、リセットピン
   (4番ピン)を電源ピン(8番ピン)に接続しても一緒、と思っていたのですが、受信の
   入り切りで少しバタ付き(ハンチング)ます。電源ピンと分離して、理論反転前段の
   トランジスタに接続して確実にリセットすると過渡現象を上手く乗り切れました。

  • H さんが 2021/02/27 に 編集 をしました。 (メッセージ: 初版)
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