テレワーク需要でPCにイヤホンを繋ぐ機会が増えたこの頃。オンボードにありがちなノイズを防ぐためにはDACを用いるのが効果的です。そんな中、安価なオーディオDACが秋月電子さんから発売されている USB DACキットがあります。今回はこの
DACの制作と改良を行いました。
+α(ほぼメイン)として通常のオーディオ試聴の用途に満足して聴けるようなスペックに仕上げていきます。なお私は中高音がシャンシャン澄んでいる音が好みで味付けも万人受けするものではありません(断言)悪しからず…
1、DACとは
皆さんご存じだとは思いますが一応、
DACとはDACとは、Digital to Analog Converterの略で、デジタル信号をアナログ信号に変換する機能を有するものの事です。
詳しくは各種ブラウザを使って調べてみてください。
2、秋月DACについて
今回は安価で敷居の低く、評判の良い秋月電子専売のUSBオーディオモジュールをベースに用いりました。
以下リンクです。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-05369/
PCM2704はバランスの良く音質に定評があるICです。日本では主にリファレンスベースの半自作KITに用いられているようです。
このDACを説明書通りに組み上げるのはとても簡単です。
とりあえずベース通り組み上げてみました。
音質は曇りが掛かっているように聞こえました。試しにオシロスコープにつなぐと波がぼやけているようになっていました。SIN波を流すと5mVほどのノイズを帯びていることも判明しました。ここからハイカットフィルタを用いて波をシャープにしていく必要がありそうです。
そこでこのKITのフィルタにアクセスしようと図面を見るのですが、なんとこのキットにはフィルタが付いていないようです。えぇ.....
強いて言うならばZobel networkぐらいしかついていないとのこと....
3、フィルターの追加 コンデンサーの増築
フィルタを付けるまえにコンデンサの換装を行います。変更点はC14のコンデンサを標準装備の物より大きなものに。C11を220μf以上のもの。c17、16は220μfに交換します。
特にC11、16、17の3つは大切です
この三つはノイズ除去のためのデカップリングコンデンサの役割を持っているそうです。
効果的にデカップリングを用いるためにはコンデンサのESL、等価直列インダクタンスを減らす事ができれば最適です。
この際、コンデンサが大きくなると配置が大変になると思います。はんだを乗せる前に位置調整を忘れないようにしましょう。マスキングテープがあると便利です。
続いてフィルタです。
フィルタの計算にはどこのご家庭にもある関数電卓君が必要なのですが出すのが面倒だったり学校、職場に忘れる事もありますので各種サイトを利用することを推奨します。
私は多少刺さっても澄んだ音が好きなのでゆとり多めで設定しています。
私の場合は12Ω22μfのRFCでフィルタをかけました。
フィルタは基板上に実装するのですが、基板とKITのアナログ出力、またフィルタと出力を繋ぐケーブルはOFCを使用なくても良いのですが自己満足が欲しいので私はOFCにしました。
実ははんだもオーディオ用だったりします。まあ普通のはんだの方が良かったりするそうです。
4、慣らしについて
ニチコン製コンデンサに限らず、アナログ系には慣らし運転が必要とよく聞きますが(エージング)言い返せばあれは劣化させてるのと同義です。皆さんはエージングをしますでしょうか?
とりあえず30分は慣らしてから計測はやろうと思い、私はやりましたがどうなのでしょうかね....
5、結果
波形ですが、綺麗になりました。
アナログのオシロでピントが合っているような感じでした。
音質は少し固めでしたが100時間越したあたりから柔らかくなりました。
実は他にもクリスタルやセラコンなども変えているのですが、効果が感じれなかったり高かったり、難易度が高かったりなどするため、掲載は控えます。下手すると悪化するので(笑
パーツリスト(掲載した中で使ったもの)
秋月電子でそろえれるようにしました。
USBオーディオDAコンバーターキット REV.C
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-05369/
オーディオ用電解コンデンサー1000μF16V85℃ ニチコンFG
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-04617/
オーディオ用電解コンデンサー220μF10V85℃ ニチコンMW
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-08375/
12Ωカーボン抵抗(出来れば金属皮膜抵抗でお願いしたいのですが、秋月さんに在庫がありませんのでここではカーボン抵抗を掲載します。)
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gR-14271/
フィルムコンデンサー 0.47μF50V ルビコンF2D
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-15089/
チップインダクター 2.2μH790mA 3225 (5個入)
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-11179/
基板(お好み)
ケーブル(お好み)
オススメはOFC
6、ケースについて
ケースはダイ〇ーのケースに結局落ち着きました。硬くて剛性がありとても良いです。
コンデンサにもよりますが一部薄型のケースにも入ります。
穴あけはボール盤とハイトゲージでけがいてで行いましたがリュータやピンバイスでもあけれそうです。
RCAは基板実装型が余りますのでそちらを使用しても良いと思いますが、私はケースに固定する形の物を使用しました。
参考になれば幸いです。
引用
図面画像及びデータ引用
秋月電子様
https://akizukidenshi.com
計算ソフト
私が個人的に使用させていただきました。
大川電子設計製作様
http://sim.okawa-denshi.jp/RLClowkeisan.htm
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