車の会社に転職したころ、ドライバーの視線を奪わず、片手で操作できるインターフェースで、摘んだり捻ったり倒したりで入力できる柔らかなインターフェースがあればいいな…と妄想していました。
5年経った今Twitterでたまたま見かけたtouchence社のショッカクポットという製品を用いて具現化出来そうということで、作ってみました。
センサ部
タッチエンス ショッカクポット POTU-001-1 を購入しました。
秋月電子
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原理としては、LEDとフォトリフレクタが4方向に接地され、その間のスポンジの粗密を検出することで、圧力の強さを擬似的に計測する、というものです。
これにより4方向の変異が取れるので、上下左右のジョイスティックの様な使い方や、また機械学習と組み合わせればジェスチャー判定による入力も行えそうで、いろいろ工夫出来そうです。
取扱説明書にUARTでの出力通信仕様が書かれており、これを参考にArduinoからシリアル経由でPC上で出力信号を読み出しています。
台座
骨組みは硬い素材で作り、その周りを柔らかい素材で覆うことで、強度と握った時の柔らかさの両立を目指します。
骨組み部分はPLAで出力しました。
センサの加工
POTU-001-1はセンサ側にコネクタが実装されていますが、邪魔になるので剥ぎ取ってしまいました。
代わりに裏面のViaホールから対象の電極をはんだ付けでストラップします。
LEDゲージ
何か物足りないので、4方向それぞれの検出量を光の量で表すゲージを付けます。
ここで一つ気付きが。繊細なタッチに対する反応が弱い気がする。
ヴェーバー‐フェヒナーの法則
そこで思い出すのがヴェーバー・フェヒナーの法則。人の感覚(音や光など)はその物理的な数値に対して対数に比例するというものです。
刺激量の強度R が変化する時、これに対応する感覚量E は
の関係となる。ここでC は定数である。つまり心理的な感覚量は、刺激の強度ではなく、その対数に比例して知覚される。
出典: Wikipedia
オーディオ機器のバンドイコライザ(低音〜高音の周波数領域に分けた音量調整)が10Hz…100Hz…1kHz…と対数軸で並んでいるなどが一例かと思います。
この法則に沿ってセンサからの入力を対数変換して出力(LEDの点灯個数)に置き換えたところ、単純な線形変換時に比べて強弱が感覚そのままに表現され、インタラクションの質が全く変わりました。
あくまで感覚なので伝わりづらいですが動画を載せておきます。この辺りも知れて興味深かった。
組み上げ
最終的に各方向のLEDテープを台座の骨組みに貼り付けます。
ユーザーフレンドリーな曲線や、握りやすい大きさにもこだわりました。PCの脇で3Dマウスの様につまむ形で使用ができます。
用途はもう少し考え中!
参考文献
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TKD
さんが
2021/02/21
に
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をしました。
(メッセージ: 初版)
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TKD
さんが
2021/02/22
に
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