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Arduino_Due

Arduinoシリーズのマイコンボード。初心者向けボードArduino Unoの機能拡張版と言われる。フォームファクタはUnoと同じだが、処理能力が高く大規模なプロジェクト開発に向いている。

概要

Arduino Dueは32bitのARMコアを持つマイコンチップを搭載した最初のArduinoボードである。

フォームファクタが同じUnoよりも処理能力が高く、大規模なプロジェクト開発に向いている。

Arduinoシリーズの機能拡張ボードはDueの他に、ZeroMega 2560MKR ZEROがある。

特徴

Arduino Dueは、AT91SAM3X8Eを基に作られたマイコンボードで、初心者向けとして最も一般的なボードであるUnoの機能拡張版といわれる。

名前に含まれている「Due」はイタリア語で「2」という意味。

IOピンが多く機能が充実しているため、大規模プロジェクトに向いている。

価格はUnoの約1.75倍の34,00ユーロ。

サイズは長さ101.52mm、幅53.3mm。USBコネクタと電源ジャックは基板をはみ出している。

3つのネジ穴が開いており、ボードを固定できる。

オンボード

Dueに搭載されている主なコンポーネントは以下のとおり。

  • SAM3X8E
  • ATmega16U2
  • 54デジタルIO そのうち12本はPWM出力可能
  • 12アナログ入力
  • 4UART
  • 84MHzクロック
  • USB OTG対応
  • 2DAC(デジタル/アナログ)
  • 2TWI
  • 電源ジャック
  • SPIヘッダ
  • JTAGヘッダ
  • リセットボタン
  • 消去ボタン

マイコン

Dueは動作用としてAT91SAM3X8E、USB接続用としてATmega16U2を搭載している。

AT91SAM3X8E

SAM3Xは256KBのフラッシュメモリが2つ持っており、計512KBのメモリが使用可能である。

ブートローダはあらかじめ焼き付けられて専用のROMメモリに格納されている。

SRAMは64KBと32KBの合計96KB。使用可能な全てのメモリにはフラットなアドレス空間として直接アクセスできる。

ネイティブUSBポートはSAM3Xに接続されており、USB経由でシリアル(CDC)通信が可能。

ATmega16U2

ATmega16U2は他のArduinoにも搭載されており、USB接続を行う。

接続したパソコンに仮想COMポートを表示させているのはこのチップである。

プログラミングポートはATmega16U2に接続されており、UART、TWIおよびSPI通信をサポートしている。

電源

Dueへの給電方法はUSB接続か外部電源(AC/DCアダプタ、バッテリ)接続である。

複数の電源に同時に接続された場合は、最適な電源を自動的に選択する。

USB接続

DueのUSBコネクタはmicro USB-Bである。これはデジタルカメラによく使われているタイプで、デジカメとパソコンをつなぐケーブルなどで代用できる。

AC/DCアダプタ

AC/DCアダプタ経由で電源を供給する場合、2.1mmセンタープラスプラグをオンボードの電源プラグに差し込む。7~12Vでの電源供給が可能。

バッテリ

バッテリから電源を供給する場合、GNDピンにマイナス側を、Vinピンにプラス側を接続する。GNDピンとVinピンを反対に接続するとボードが壊れるので注意。7~12Vでの電源供給が可能。

電源ピン

  • 5V:オンボードレギュレータによって調整された5Vを出力。
  • 3V3:オンボードレギュレータによって調整された3.3Vを出力。最大電流は800mA。マイコンへの電源供給もここから行う
  • Vin:プラス極を接続。外部電源から供給する場合や電源ジャックを介して供給する場合に使用する
  • GND:マイナス極を接続。外部電源から供給する場合や電源ジャックを介して供給する場合に使用する
  • IOREF:接続されたシールドによって5Vか3.3Vの出力電圧に調整できる

電源が7V未満の場合、5Vピンから出力される電圧が5V以下になり、ボードが不安定になる可能性がある。また12V以上の電圧で供給すると電圧レギュレータが過熱されてボードが壊れることがある。

そのため推奨電圧は7~12Vである。

USBポート保護用ポリヒューズ

接続しているパソコンのUSBポートをショートや過電流から守るリセット可能なポリヒューズを備えている。

USBポートに500mAを超える電流が流れると、その状態が解消するまで自動的にヒューズが切断される。

使用できるシールド

Dueは3.3Vで動作するため、3.3Vのシールドを使用可能。

1.0Arduinoのピン配置に従って設計されており、UnoやDiecimilaまたはDuemilanove用に設計されたほとんどのシールドと互換性がある。
ただしI2CはDuemilanoveやDiecimilaの位置と異なるため注意する。

5Vのシールドを使用すると本体が壊れる恐れがある。使用する場合は何らかの方法でのレベル変換が必要。

入出力

入出力可能なデジタルIOピンが54本あり、全てのピンが3.3Vで動作する。

100kΩの内部プルアップ抵抗を備え、ピンによって3mAまたは15mAの電流を供給したり、6mAまたは9mAの電流を受信したりできる。

オンボードLED

他の多くのArduinoボードと同じく、13ピンはオンボードのLEDに接続されている。

HIGHのときに点灯し、LOWのときに消灯する。

13番ピンはPWM出力なので、単に光らせるだけでなく減光させたりできる。

開発環境

Arduinoの開発環境についてを参照。

フラッシュメモリの消去

AT91SAM3X8Eは他のArduinoに搭載されているAVRマイコンと違って、スケッチのアップロードを行う前にフラッシュメモリを消去する必要がある。

ボード上の消去ボタンを長押しすると、現在ロードされているスケッチが消去される。

仕様

バージョン Arduino Due
CPU AT91SAM3X8E
メモリ 内蔵フラッシュメモリ: 512KB / SRAM: 96KB(64KB/32KB)
動作電圧 3.3V
入力電圧 7V ~ 12V(制限値 6V ~ 16V)
IO デジタル入出力 ×54(内12ピンはPWM出力が可能) / アナログ入力 ×12(10bit ADC) / アナログ出力 ×2(12bit DAC)
インターフェース UART: 2(ネイティブ, プログラミング) / microUSB Type-B ×2
外部割込み 全てのデジタルピン
LED POWER, TX, RX, LED(13番ピン)
ボタン リセット, 消去
DC電流 IOピン: 130mA / 3.3Vピン: 800mA / 5Vピン: 800mA
クロック速度 84MHz
電源 USB接続(5V), 外部電源(7V ~ 12V)
サイズ 101.52mm × 53.3mm / 重さ: 36g

参考