Arduino_Mega_2560
Arduinoシリーズのマイコンボード。初心者向けボードArduino Unoの機能拡張版。「Mega 2560」は搭載しているマイコンの名前から来ている。
目次
概要
Arduino Mega 2560はUnoの上位互換品で、多くのIOピンやスケッチメモリ、RAMを必要とする複雑なプロジェクト向けのボード。
Arduinoシリーズの機能拡張ボードはMega 2560の他に、Zero、Due、MKR ZEROがある。
特徴
Arduino Mega 2560はATmega2560を基に作られたマイコンボードである。
現在販売されているのはMega2560 Rev.3で、価格は38.50ドル。
Arduino Megaのアップデート版で、搭載しているマイコン名がそのまま製品名になっている。
Uno・Duemilanove・Diecimila用に設計されたほとんどのシールドが使えるように設計されていて、UnoよりもI/Oピン数やメモリも多いため、3Dプリンタやロボット開発などの複雑なプロジェクト開発に向いている。
Mega 2560のボードサイズは101.52mm×53.3mm。USBコネクタと電源ジャックは基板からはみ出して取り付けられている。
3つのネジ穴があり、ネジでボードを固定できる。
また、ピン間隔は100ミルだが、デジタルピン7と8の間隔は変則的で160ミルである。
オンボード
- ATmega2560
- ATmega16U2/8U2
- デジタルIOピン:54
- PWM出力ピン:15
- アナログ入力ピン:16
- UARTピン:4
- 16MHz水晶振動子
- USB-Bポート
- 電源ジャック
- ICSPヘッダ
- リセットボタン
マイコン
Mega2560は動作用のATmega2560とUSB接続用のATmega16U2を搭載している。
動作用のマイコンとUSB接続用のマイコンを1つのマイコンで行うボードもあるが、2つに分けて搭載することで動作用のマイコンをリセットしてもUSB接続が切断されずに作業することができる。
ATmega2560
ATmega2560は、STK500プロトコルを使用して通信するブートローダを内蔵している。
フラッシュメモリは256KBで、そのうち8KBはブートローダが使用。8KBのSRAMと4KBのEEPROMを備えている。
UARTシリアル通信やTWI、SPI通信もサポート。
また、ブートローダをバイパスしてArduino ISPなどを使用してICSP(インサーキットシリアルプログラミング)ヘッダを介してプログラムすることも可能である。
ATmega16U2
USB接続用として搭載しているATmega16U2は、DFUブートローダがあらかじめロードされている。
以前のRev.1/Rev.2ではATmega8U2が使用されていた。
電源
Mega2560への給電方法は、USB接続か外部電源(AC/DCアダプタ、バッテリ)接続である。複数の電源に同時に接続された場合は、最適な電源を自動的に選択する。
電源を接続すると緑色の「ON LED」が点灯する。
USB接続
Mega2560のUSBコネクタはUSB-Bである。これは多くのプリンタに使われている型で、プリンタとパソコンをつなぐケーブルで代用できる。
5Vでの電源供給が可能。
AC/DCアダプタ
AC/DCアダプタ経由で電源を供給する場合、2.1mmセンタープラスプラグをオンボードの電源プラグに差し込む。
7~12Vでの電源供給が可能。
バッテリ
バッテリから電源を供給する場合、Vinピンにプラス側を、GNDピンにマイナス側を接続する。
GNDピンとVinピンを反対に接続するとボードが壊れるので注意。
7~12Vでの電源供給が可能。
電源ピン
- 5V:オンボードレギュレータによって調整された5Vを出力するピン。ここから入力するとボードが壊れる
- 3V3:オンボードレギュレータによって調整された3.3Vを出力するピン。最大電流は50mA。ここから入力すると壊れる
- Vin:プラス極を接続。外部電源から供給する場合や電源ジャックを介して供給する場合に使用する
- GND:マイナス極を接続。外部電源から供給する場合や電源ジャックを介して供給する場合に使用する
- IOREF:接続されたシールドによって5Vか3.3Vの出力電圧に調整できる
USBポート保護用ポリヒューズ
接続しているパソコンのUSBポートをショートや過電流から守るリセット可能なポリヒューズを備えている。
USBポートに500mAを超える電流が流れると、その状態が解消するまで自動的にヒューズが切断される。
入出力
5Vで動作するデジタルIOピンが54ピンあり、そのうち15ピンはPWM出力として使用できる。
各ピンは20mAを供給・受信でき、20~50kΩの内部プルアップ抵抗を備えている。
ひとつのピンに対して40mAを超える電流を流すと、ボードが壊れるので注意する。
また、10bitの分解能を持つ16本のアナログ入力ピンと、4本のUARTピンを持つ。
オンボードLED
他の多くのArduinoボードと同じく、13ピンはオンボードのLEDに接続されている。
HIGHのときに点灯し、LOWのときに消灯する。
開発環境
Arduinoの開発環境についてを参照。
自動リセット
Mega2560のATmega2560はアップロード前にリセットする必要があるが、IDEで自動的にリセットされるように設計されている。
そのためボード上のリセットボタンを押す必要はなく、IDE上のアップロードボタンを押すだけでリセットとアップロードが可能である。
この自動リセット機能は以下の方法で無効化できる。
- ボード上の「RESET-EN」トレースを切断する
- リセットラインに5Vから110Ωの抵抗を接続する
トレースを切断する方法の場合、はんだ付けすれば再度有効にできる。
また、ボード上のリセットボタンを押してもリセットは実行される。シールドの使用などによってリセットボタンが押せない場合は、リセットピンをLOWにすることでもリセットが可能。
仕様
バージョン | Arduino Mega 2560 Rev3 |
---|---|
CPU | ATmega2560, ATmega16U2 |
メモリ | 内蔵フラッシュメモリ: 256KB(内8KBはブートローダが使用) / 8KB SRAM / 4KB EEPROM |
動作電圧 | 5V |
入力電圧 | 7V ~ 12V(制限値 6V ~ 20V) |
IO | デジタル入出力 ×54(内15ピンはPWM出力が可能) / アナログ入力 ×16 |
外部割込み | 2, 3, 18, 19, 20, 21 |
LED | POWER, TX, RX, LED(13番ピン) |
USBポート | USB Type-B ×1 |
ボタン | リセット |
DC電流 | IOピンあたり: 20mA / 3.3Vピン: 50mA |
クロック速度 | 16MHz |
電源 | USB接続(5V), 外部電源(7V ~ 12V) |
サイズ | 101.52mm × 53.3mm / 重さ: 37g |