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Leafony

Leafonyとは、Arduino互換のマイコン・モジュールを搭載する超小型オープンソースハードウェア / ソフトウェアである。Leafony platform(リーフォニー・プラットフォーム)とも呼ばれる。

Leafony(りーふぉにー)

Leafonyとは、Arduino互換のマイコン・モジュールを搭載する超小型オープンソースハードウェア / ソフトウェアである。Leafony platform(リーフォニー・プラットフォーム)とも呼ばれる。

企業だけでなく個人であってもガジェット創りに活用できるほか、様々な教育機関で研究やIoT教育に使用されることが期待されている。

概要

Leafonyは、トリリオンノード研究会(東京大学の名誉教授らが立ち上げたグループ)がNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託事業「IoT推進のための横断技術開発プロジェクト」で得られた成果から派生して開発された小型のオープンソースハードウェア / ソフトウェアである。一般公開される前はトリリオンノード・エンジンという名称だった。

リーフ(Leaf)と呼ばれる複数の電子基板を独自のコネクタ(AZ61A Connector)でつなぎ、ブロック玩具のような感覚で積み重ねていくことで、自由にシステムを創ることができる。熱圧着技術を使えば2次元的に接続が可能なため、ベルトのようなウェアラブル製品としての活用も可能。

ちなみにLeafonyは、LeafとSymphonyからできた造語で、個と全体の調和を目指すという意味である。

特徴

  • リーフ(Leaf)という1円玉大の電子モジュールを組み合わせて小型のオリジナルモジュールが作成できる
  • 独自のコネクト技術により、はんだを使わずに組み立てられる
  • すべてのリーフ(Leaf)にスタンバイモードが付加されているのでコイン電池でも動作可能
  • オープン・ハードウェア/ソフトウェアのプラットフォーム

リーフとは

Leafonyを構成する2cm角程度の電子基板。見た目が木の葉を連想させるためリーフと名付けられた。

商用でもLeafony準拠と明記すれば自由に使用できるが、独自に作ったリーフには「Leafony」と表示してはいけない。この表示はLEAFONY SYSTEMS社によって品質が確かめられていることを表し、混乱を避けるためである。

低電力

すべての機能リーフにスタンバイモードを付加するなど、アーキテクチャを工夫したことでコイン電池でも数か月以上のIoT端末の稼働を可能とした。

この低電力化により、電源の確保が困難な農業やドローンなどIoT(Internet of Things)向けの応用に適している。

ちなみに、Basicキットにはコイン電池が付属しているが、これはあくまでも動作確認用のものである。

オープンソースハードウェア/ソフトウェア

Arduinoと同じようにオープンソースのハードウェア/ソフトウェアである。仕様書、回路図、パターン図、応用例、ソフトウェアが公開されている。

ソフトウェア開発環境はArduinoに準拠。プロセッサ・リーフを変更することで異なったソフトウェア環境でも使用できる。

なお、複数のリーフが電気信号及び電気接続を行う共通経路部「Leafony bus」はリーフの相互接続のための仕様が定められている。

Leafony busのアートワークのライセンスは、 クリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 国際(CC BY 4.0)で提供されており、コピーして使用する際はクレジット(この製品の一部は、Leafony SystemsによるLeafony busのアートワークを利用しています。)を表示する必要がある。

製品ラインナップ

2020年現在、LEAFONY SYSTEMS 株式会社から製造・販売されているキットは以下の通り。

Basic Kit A1.0

12,800円(送料・税別)。Bluetoothでセンサの値をスマートホンやPCに送るといった基本的なシステムが作れるキット。

工場出荷時にはArduinoのスケッチ(プログラム)が書き込まれ、ハードウェアも組み立てられた状態で送られるため、開封後すぐに試用できる。

内容

型番 名称 備考
AC02A BLE Sugar BLEモジュールBGM11S22F256GA-V2を搭載したリーフ
AI01A 4-Sensors 温湿度センサ、照度センサ、加速度センサを搭載したリーフ
AP01A AVR MCU ATmega328Pを使用したリーフ
AV01A CR2032 3Vの電池電圧を変換し、3.3Vを各リーフに供給するリーフ
AX02A 29pin リーフI/Fの29ピン全てをスルーホールに接続したリーフ
AZ01A USB AVR MCU へのスケッチ書き込みやシリアルモニタを使用する場合に接続するリーフ
AZ62A Conector Cover ACR(異方性導電ゴム)に付着するごみを防御するカバー
AZ64A Uppercase 組み立てられたLeafonyのケース(上)
AZ65A Lowercase 組み立てられたLeafonyのケース(下)
- Screw driver 精密ドライバー +0×50
- CR2032 3V Lithium coin cell battery 動作確認用のコイン電池
- Screw M2 M2x20サイズのねじ

Extension Kit A1.0

16,800円(送料・税別)。圧電スピーカと人感センサ、MEMSマイク、Grove&5Vなどの拡張リーフが同梱されている。

マイコンリーフが含まれていないので、別途Basicキットが必要になる。

内容

型番 名称 備考
AI02A SP&PIR 圧電スピーカと人感センサを搭載したリーフ
AI03A MIC&VR&LED MEMSマイク、ボリューム、LEDを搭載したリーフ
AI04A LCD キャラクタLCDユニットとスイッチ2個を搭載したリーフ
AV03A AA BAT 1.5Vの電池電圧を3.3Vに変換し、各リーフに供給するリーフ
AX01A Shield Arduino Shield接続用コネクタ、SWDコネクタ、ICSPコネクタ、リーフI/F3個を実装した拡張基板
AX03A Leaf x2 全てのリーフI/F端子を接続したリーフを横に接続するためのリーフ
AX04A Spacer 全てのリーフI/F端子を接続した高さが2mm以上ある部品を使用しているリーフの上に別のリーフを接続するためのリーフ
AX05A I Meas. 3.3VおよびVBUSの消費電流を測定することが出来るリーフ
AX06A Grove&5V Seeed Studio製 Groveシリーズに準拠する5Vで動作するUART、I2C、アナログ入力、デジタル入力が可能なリーフ

ESP32 Wi-Fi Kit A1.0

12,800円(送料・税別)。ESP32マイコンをベースとしたWi-Fi無線通信のほか、microSDやリアルタイムクロック機能が入ったキット。

コイン電池よりも大きい電池が必要だが、Basicキットよりも高性能になっている。

内容

型番 名称 備考
AP02A ESP32 MCU Espressif SystemsのXtensa Dual-Core 32-bit LX6 マイクロプロセッサ、技的認証済みWi-FiとBLEを内蔵したESP-WROOM-32を搭載した32bit MCUリーフ
AV04A 2V~4.5V 2~4.5Vの電池電圧を3.3Vに変換し、各リーフに供給するリーフ
AX07A Back to back 全てのリーフI/F端子を接続したリーフを反転させて接続するためのリーフ
AX08A 29pin header リーフI/Fの29ピン全てをピンヘッダに接続したリーフ
AZ02A RTC&MicroSD NXPのReal-Time Clock PCF8523TKおよびMicro SDカードスロットを搭載したリーフ
AZ62A Conector Cover ACR(異方性導電ゴム)に付着するごみを防御するカバー
AZ63A Nut Plate リーフをねじで固定する時に使用するナットプレート
- Screw M2 M2x12サイズのねじ
- Magnet 10mm×2mmのマグネット
- 単4電池ホルダーASSY 単4電池のホルダー

Conector A1.0

2,500円(送料・税別)。AZ61A Connectorの10個セット。

Nut Plate & Connector Cover A1.0

1,500円(送料・税別)。リーフをねじで固定するときに使用するNut PlateとConnector Coverの10個セット。

なお、市販の六角ナットを用いると基板の電極に触れてショートを起こすことがあるため注意を要する。

参考