SDカード

概要

SDカードは松下電器産業（現パナソニック）とサンディスク（現ウエスタン・デジタル）と東芝による共同開発規格として1999年に発表されたフラッシュメモリカードである。

SDカードは機器との相性があるため、サイズが合っていても使用できない場合がある。動作確認済みの製品があればそれを選ぶのがよい。

MMCモードとSPIモードがある。MMCモードはSDカードが持つ本来の性能を発揮できるが制御が複雑になる。マイコンではSPIモードで制御する場合が多い。SPIモードだと読み書きのスピードが低速になる。

歴史

名前の由来

SDカードの「SD」は「Secure Digital」の略。

当時主流だったコンパクトディスク(CD)よりも著作権対策がされていることから名付けられた。

販売されているSDカードは全て著作権保護規格CPRMに対応しており、SDXCやSDUCはさらに保護性能の高いCPXMに対応している。

分類

SDメモリーカード

SDメモリーカードの端子は9ピンである。

MMCカードの記録方式と同じで、カードの形状も近いため、MMCカードスロットを代用できる。

ファイルシステムはFAT16やFAT12を採用しているため、記録容量が最大2GBまでとなっている。

誤消去防止用のプロテクトスイッチがあり、オンにしておくとデータを保護できる。

SDMI適合の著作権保護機能を備えている。

miniSDカード

miniSDカードとは、SDカードを小さくしたSDカード。

端子が11ピンだが構造自体はSDカードと大きな変化はないため、アダプタをつければSDカードとしても利用できる。

SDカード同様、ファイルシステムはFAT16を採用しているため、最大容量は2GB。

microSDカード

microSDカードはSDの4分の1くらいのサイズである。

端子が8ピンだが構造自体はSDカードと大きな変化はないため、アダプタをつければSDカードやminiSDカードとしても利用できる。

SDカード同様、ファイルシステムはFAT16を採用しているため、最大容量は2GB。

microSDでは見た目は同じサイズで、ファイルシステムにFAT32を採用した大容量規格「microSDHC」もある。対応機器以外では使用できないため、購入する際は注意が必要。

SDHC

SDHCは「SD High Capacity」の略で、SDカードの上位規格。

2006年1月にSDアソシエーションによって規格化されている。

ファイルシステムにFAT32を採用したことで最大容量が32GBに向上した。

スピードクラスは2、4、6に分類される。

SDXC

SDXCは「SD Extended Capacity」の略で、SDHCの上位規格。

2009年1月にSDアソシエーションが発表した。

ファイルシステムにexFATを採用したことで、最大容量が2TBに向上している。

転送スピードは将来的に300MB/sまで実装可能になると言われている。

SDUC

SDUCは「SD Ultra Capacity」の略で、SDXCの上位規格。

2018年6月にSDアソシエーションが発表した新しい規格で、理論上は最大容量128TBまで可能と言われている。

SD Express

SD Expressは転送速度を追求した規格。

SDUCと同じく2018年6月にSDアソシエーションが発表した新しい規格で、最大転送速度は985MB/sである。

転送速度によるクラス分け

ちなみに転送速度1倍速とは、コンパクトディスクの転送速度150KB/secが基準となっている。

互換性

どの規格のSDが使えるかはホストデバイスによって決まっており、上位規格に対応していれば下位規格にも対応する仕様である。

参考

• SDメモリーカード - Wikipedia
• How To Choose MicroSD
• SDメモリカードの違い｜東芝：メモリ