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kd_yuta 2026年01月31日作成 (2026年01月31日更新) © MIT
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SPRESENSEでインフラ点検向けのエッジAIドローン

SPRESENSEでインフラ点検向けのエッジAIドローン
  1. 概要
    本記事では、カメラ・エッジAI・BLE通信を搭載したドローンを用いたインフラ点検システムの試作について紹介する。
    対象はトンネルや水道管といった閉鎖・狭小空間インフラであり、機体側でひび割れ(Crack)を自動検出し、必要な情報のみを保存・送信することを目的としている。
    1.1.ゴール
    本試作のゴールは以下の3点である。
    ○ドローン搭載カメラ画像から、ひび割れを機体側で検出できること
    ○Spresenseクラスのマイコンで動作可能な軽量処理であること
    ○「なぜその判定になったか」を説明可能なAI構成であること

  2. 課題背景
    2.1.インフラ点検の制約
    トンネルや水道管といったインフラ設備の点検には、以下の制約が存在する。
    ○通信環境が不安定、または存在しない
    ○人が立ち入るには危険・コストが高い
    ○点検対象が長距離・広範囲に及ぶ
    このため、近年はドローンやロボットによる点検が注目されている。
    2.2.機体側で判断する意義
    しかし多くのドローン点検は、「とりあえず撮影 → 全画像を送信 → 人が確認」という構成に留まっている。
    2.3.今回の記事の位置づけ
    ドローンは単なる飛行カメラではなく、現場で考える自律判断型ロボットへ進化すべき

  3. 構成
    3.1.ハードウェア構成
    ドローン(100g未満クラス)
    Sony Spresense
    Spresense Camera
    BLE(BLE1507)
    microSD
    モバイルバッテリー給電
    本記事では、IMUや位置推定は未実装とし、画像AIの検証にフォーカスしている。
    3.2.保存と送信の最小単位
    本構成では、
    通常時:画像は破棄
    異常検出時:画像、スコア、時刻のみを保存・送信する。
    3.3.位置表現とIMU導入の段階
    将来的にはIMUを用い、入口からの距離や区間IDといった1次元参照系で位置を表現する想定である。

  4. 要素
    4.1.入力データ
    路面・壁面の実写画像
    ひび割れあり/なし
    (解像度統一済み)
    4.2.中間生成物
    Thin Candidate(二値化細線画像)を可視化することで、AIが何を見て判断しているかを確認
    4.3.出力画像
    score(連続値)
    pred(CRACK / NO-CRACK)

  5. 実現のための工夫
    5.1.TrueがCRACKになりやすい問題
    単純な画像分類では、テクスチャや継ぎ目、影などがひび割れと誤認されやすい。
    5.2.長く細い線だけを評価する
    「割れ単体」ではなく「連続している」や「割れの特長」などの特性を学習させた
    5.3.スコアの作り方としきい値
    Thin Candidate に含まれる画素量を正規化し、スコアとして算出する。
    5.4.見落とし対策の考え方
    見落としを減らすため、閾値は低めに設定し誤検出は後段で整理という思想を取っている。

  6. 導入検証
    6.1.実行環境
    Python(学習・検証)
    Spresense実装を想定した軽量処理
    6.2.実行手順
    学習データ:300枚
    テストデータ:100枚
    (CRACK / NO-CRACK 均等)
    6.3.結果
    以下は代表例である。
    CRACK画像
    score = 0.002167 → CRACK
    NO-CRACK画像
    score = 0.000389 → NO-CRACK
    score = 0.000151 → NO-CRACK
    score = 0.000108 → NO-CRACK
    ひび割れに沿ってHeatmapが反応し、
    細線のみが抽出されていることを確認できた。
    CRACK画像
    NO-CRACK画像1
    NO-CRACK画像2
    NO-CRACK画像3

  7. まとめ
    AIを載せること自体よりも、どこで判断し、何を残し、何を捨てるかを考えることが重要だと感じている。
    本記事が、エッジAI × ハードウェア × 社会実装に興味を持つ方の参考になれば幸いである。
    以下参考のためにAIの判定過程の画像も添付しておきます。
    CRACK画像-中間判定
    NO-CRACK画像1-中間判定
    NO-CRACK画像2-中間判定
    NO-CRACK画像3-中間判定

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