Arduino_Micro
Arduinoシリーズのマイコンボード。ArduinoとAdafruitの共同開発による初心者向けボードである。ブレッドボードに直接挿して使えるのが特徴。
目次
概要
Arduino MicroはArduinoとAdafruitによって共同開発された、ブレッドボードに直接挿せるマイコンボードである。
ArduinoシリーズではNanoに次いで小さいボードで、性能面ではLeonardoに似た特徴を持つ。
初心者向けのArduinoボードは、MicroやLeonardoの他にも、Uno、101、Nanoなどがある。
特徴
MicroはATmega32U4を基に作られたマイコンボードである。
Adafruitとの共同開発であるため、純正のArduinoではあるがAdafruit製品として販売されている。
パソコンに接続すると、マウスやキーボードとして認識されるUSBが内蔵しており、それらの入力デバイスを制御するようにプログラムできるのが特徴である。
価格は18ユーロ。ピンヘッダなし版も販売している。
「Genuino Micro」という似た名前のボードがあるが、これはArduinoを販売している会社が商標権で揉めていた時代に販売された製品で「Arduino Micro」と同じものである。
オンボード
Microに搭載されている主なコンポーネントは以下のとおり。
- ATmega32U4
- デジタルIOピン:20(内7ピンはPWM出力可、12ピンはアナログ入力可)
- 16MHz水晶振動子
- micro USBポート
- ICSPヘッダ
- リセットボタン
フォームファクタ
Microボードは、長さ48mm、幅18mm。
ブレットボードに設置しやすいフォームファクタが採用されている。
マイコン
Microは、USB通信機能を兼ねたATmega32U4を搭載している。
他のArduinoでは、動作用のマイコンとUSB接続用のマイコンを2つ搭載しているボードが多いが、Leonardoはセカンダリプロセッサを持たず、動作処理とUSB接続を1つのマイコンで行う。
ATmega32U4
ATmega32U4は、コードをアップロードできるブートローダを内蔵している。
AVR109プロトコルで通信する。
メモリは32KBで、そのうち4KBはブートローダが使用している。
2.5KBのSRAMと1KBのEEPROMを備えており、EEPROMはEEPROMライブラリで書き換えが可能。
UARTシリアル通信とSPI通信をサポートしており、USB経由でのシリアル(CDC)通信もできる。
ブートローダをバイパスしArduino ISPなどを使用してICSPヘッダを介してプログラムすることも可能。
電源
Microへの給電方法は、micro USB接続か外部電源(DCアダプタ、バッテリ)接続である。
複数の電源に同時につないだ場合、自動的に選択される。
USB接続
MicroのUSBコネクタはUSB-microB。
パソコンと接続するにはUSB A-microBタイプのケーブルが別途必要である。
5Vでの電源供給が可能。
DCアダプタ・バッテリ
DCアダプタやバッテリ経由で電源を供給する場合、他のボードと異なり電源ジャックが削除されているため、2.1mmセンタープラスプラグは使えない。
ボード上のGNDピンにマイナス側を、Vinピンにプラス側を接続する。
電源ピン
Microの電源ピンは以下のとおり。
- Vin:外部電源から供給する場合、プラス側を接続するピン
- GND:外部電源から供給する場合、マイナス側を接続するピン
- 5V:マイコンなど、ボードのコンポーネントに電源を供給する
- 3V3:オンボードレギュレータによって3.3Vを出力。最大電流は50mA
動作電圧
Microの動作電圧は6~12V。推奨電圧は7~12Vである。
7V未満だと、5Vピンからの出力が5Vを下回るため推奨されていない。また、12V以上だとボードに負荷がかかり壊れる恐れがある。
USBポート保護用ポリヒューズ
接続しているパソコンのUSBポートをショートや過電流から守るリセット可能なポリヒューズを備えている。
USBポートに500mAを超える電流が流れると、その状態が解消するまで自動的にヒューズが切断される。
入出力
5Vで動作するデジタルIOピンが20ピンで、各ピン最大20mAで供給・受信する。
20~50kΩの内部プルアップ抵抗を備えている。
デジタルIOピンのうち、7ピンはPWM出力、12ピンはアナログ入力が可能である。
オンボードLED
他の多くのArduinoボードと同じく、13ピンはオンボードのLEDに接続されている。
HIGHのときに点灯し、LOWのときに消灯する。
リセットピン
シールドを追加することによってボード上のリセットボタンが押せなくなる場合に使う。
LOWにしてリセットが可能。
開発環境
Arduinoの開発環境についてを参照。
自動リセット
Microの基板上にはリセットボタンが設置されているが、IDEがリセットしてくれるためアップロードする前にリセットボタンを押す必要はない。
Microの仮想(CDC)シリアル / COMポートが1200ボーで開かれ閉じられるとリセットが実行される仕様。
自動リセットが実行されると、プロセッサはリセットされブートローダが起動。8秒間アクティブ状態を維持する。
ボードを最初に起動したときはユーザースケッチがあればそれが開く設定になっている。
これはボード上のリセットボタンを押しても同じである。
また、ATmega32U4はUSB通信機能を内蔵しているため、リセットするとパソコンとのUSB接続が切断される。
仕様
バージョン | Arduino Micro |
---|---|
CPU | ATmega32U4 |
メモリ | 内蔵フラッシュメモリ: 32KB(内4KBはブートローダーが使用) / 2.5KB SRAM / 1KB EEPROM |
動作電圧 | 5V |
入力電圧 | 7V ~ 12V(制限値 6V~20V) |
IO | デジタル入出力× 20(内7ピンはPWM出力が可能) / アナログ入力 ×12 |
外部割込み | 0, 1, 2, 3, 7 |
LED | TX, RX, LED(13番ピン) |
USBポート | microUSB Type-B |
ボタン | リセット |
DC電流 | IOピンあたり: 20mA / 3.3Vピン: 50mA |
クロック速度 | 16MHz |
電源 | USB接続(5V), 外部電源(7V ~ 12V) |
サイズ | 48mm × 18mm / 重さ: 13g |