(Jo^▽^)ノぁぃ♪
本稿は「オーディオに関する私の考え」シリーズ第8回。
今回は、「位相」「時間軸整合性」「群遅延」について述べる。
本稿の主題は、単なる周波数特性ではなく、“時間軸の整合性”である。
「前提:本シリーズの立ち位置」
私は電子回路設計・制御工学の立場からオーディオを捉えている。
感覚論や評論ではなく、電子工学・制御理論・システム設計の観点から、「再生システムのあるべき姿」を再定義することが本シリーズの目的である。
本稿では音の好みは扱わない。
扱うのは、位相・群遅延・時間軸整合性という信号伝送上の物理現象である。
「本稿の要点」
同じスペクトルでも、位相条件が異なれば波形は一致せず、過渡応答や知覚印象に差が出うる
そして重要なのは、位相回転そのものではなく、群遅延の非線形性である。
可聴帯域内に極や共振点が存在すると、周波数ごとに遅延量が変化し、基本波と各倍音との時間整合性が崩れる。
その結果、波形が変形し、音像・定位・質感が劣化しうる。
つまり、オーディオの本質は振幅特性だけでは語れない。
「位相回転そのものが問題ではない」
位相が一定傾斜で回転するだけなら、それは単なる時間遅延であり、波形そのものは崩れない。
問題になるのは、周波数によって遅延量が異なる場合である。
つまり:群遅延の非線形性である。
可聴帯域内に極や共振点が存在すると、その近傍で群遅延が急峻に変化し、基本波と倍音の時間整合性が崩れる。
「位相回転の実例:MMカートリッジ負荷」
MMカートリッジの代表例として、内部インダクタンス500mHのカートリッジに47kΩ + 200pFの標準的負荷を接続した場合のシミュレーション結果を示す。
15.9kHz付近に小さなピークが現れ、可聴帯域内で位相回転が始まっている。
この例では:
振幅ピークは 1dB未満
位相は 10kHzで約40°
20kHzで約120°遅れる
並列RLCのQは約0.94。
高域特性を補償する目的で、この共振を利用する設計となっている。
しかし実際には、その副作用として急峻な位相回転と群遅延変化が必ず発生する。
ここで重要なのは:振幅変化よりも、群遅延変化のほうが時間軸へ直接影響するという点である。
「基本波と倍音の時間的ズレ」
画像2では、基本波と倍音の時間関係を示した。
1)倍音が同相の場合基本波と倍音(同相)
この場合、ゼロクロス位置が同期し、合成波形は自然な形状を保つ。
時間軸整合性は維持されている。
2)倍音が90°遅れた場合
倍音は基本波に対し1/4周期遅れる
この結果:
ゼロクロスが同期しない
ピーク位置がズレる
立ち上がり形状が崩れる
左右対称性が失われる
つまり:スペクトルが同じでも、時間軸が異なれば別の波形になるのである。
「群遅延非線形性が引き起こす波形変形」
画像3では、画像2で示した時間ズレが、実際の合成波形にどのような変形を与えるかを示している。
同相の倍音では、波形は自然で左右対称に近い。
しかし、90°遅れた倍音を加えると:
ピーク位置が移動し、
波形の左右対称性が崩れ、
周期構造まで異なって見える
これはまさに:群遅延の非線形性が引き起こす典型例である。
「本シリーズの基本思想」
シリーズ冒頭で述べた基本思想:
可聴帯域内に極がある場合、位相回転そのものより、群遅延の急峻な変動を抑えることが重要である。
今回の内容は、その思想を“時間軸の見える形”として示したものだ。
周波数特性がフラットでも、群遅延が非線形では、基本波と倍音の時間整合性は崩れ、波形は変形する。
その結果:
音像
定位
質感
空間表現
は影響を受ける可能性がある。
そして、音像や定位、空間表現などの時間情報に関わる要素へ影響を及ぼす可能性がある。
つまり、オーディオとは単なる周波数特性の再現ではない。
周波数特性だけを整えても、時間軸が乱れれば元の波形は再現できない。
オーディオとは、振幅だけではなく、時間情報も忠実に再現するシステムである。
私が可聴帯域内に極を置かない設計を目指す理由も、まさにここにある。
周波数応答だけでは、再生系の本質は語れない。
時間軸まで含めて初めて、信号の忠実な再現が評価できる。。
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JO
さんが
昨日の0:37
に
編集
をしました。
(メッセージ: 初版)
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