目次
概要
PICとは、電子工作ファンに人気のマイクロコントローラである。
回路構成が簡単で、インターネット上の情報や解説書籍が多く、安価で入手しやすい。
近年では、PICより簡単に扱えるArduinoやRaspberry Piの登場により、初心者にとって再び敷居が高くなってきている。
PICはCPU、メモリ(RAM / ROM)、IOなどコンピュータに必要なものが1チップになっており、ROMに書き込まれたプログラムで制御される。
PICという名称は「周辺機器の接続部分を制御する」という意味の「Peripheral Interface Controller(ペリフェラル インターフェイス コントローラ)」の頭文字をとったものである。
ジェネラル・インストゥルメント社によって1975年に開発され、分社化・社名変更を経て現在はマイクロチップ・テクノロジー社が開発・販売している。
ちなみに同社は2016年にAtmel社を買収しており、現在はPICに加えAVRの開発も行う。
特徴
内蔵メモリはワンタイムROMやEPROMが主流だったが、今はフラッシュメモリの製品がほとんど。
データ保存用メモリには、不揮発性メモリのEEPROMが内蔵されている。
PICは形状に様々なバリエーションがあるのが特徴で、長方形に足が生えたようなDIPタイプや小型の表面実装タイプなど、用途に応じて選べる。
また、会社の方針により古いチップも継続して生産・販売している。
開発環境
PICの開発にはMPLAB IDEとライタが必要である。
開発環境ソフトMPLAB IDE
PICはMPLAB IDEというソフトで開発する。
MPLAB IDEはマイクロチップ・テクノロジー社が提供する開発環境で、webサイトから無償でダウンロードできる。
MPLAB IDEでは以下のことができる。
- プログラムの作成
- PICに書き込むためのデータ変換
- 変換データのライタへの書き込み
- プログラムのシミュレーション
ライタ
PICに書き込むためのライタは別途必要である。
複数の会社が完成品やキットを販売しているが、マイクロチップ・テクノロジー社で販売しているPICKitシリーズはMPLAB IDEに対応している。
ライタは自作することも可能である。