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mtyk1t 2020年11月19日作成 (2021年12月07日更新) © CC BY-SA 4+
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3DプリンターでDIPピン矯正器を作った

3DプリンターでDIPピン矯正器を作った

DIPパッケージのICは、足が少し広がった状態で売られています。
DIPパッケージ(新日本無線より)
しかしこの状態では、基板上のDIPのフットプリント、DIPソケット、ブレッドボードなどに挿入することができないので、少し縮めて真っ直ぐにしてやる必要があります。
指で押したり、ペンチで挟んだり、机の角に押し付けたりと、手でやることもできますが、真っ直ぐにならなかったり、力加減を間違えて曲げすぎてしまいがちです。

専用の工具「サンハヤト ピンそろった」や
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HAKKO DIPLINER」という製品もありますが、
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結構なお値段がします。

なので、3Dプリンターで自作してみることにしました。

試作第1号

「ピンそろった」のように挟む構造が使いやすそうですが、部品点数が増えるので設計も製造も面倒、ということで、1ピース構造にできないかと考えました。そこで、溝に差し込んで滑らせることでピンを曲げればいいのでは、と思いつきました。実はこの時は、 HAKKO DIPLINER のことは知りませんでした……。
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試作第1号を作りましたが、残念ながらうまくピンをまっすぐにできませんでした。

  1. 溝の横幅を完成品の幅と同じにしたが、ピンの弾性変形により、少し戻ってしまうため真っ直ぐにならない
  2. 溝の出口ですぐ外に出る形状にすると、後ろから力がかかった状態で宙に浮いてしまうため、後ろの方のピンが斜めに曲がってしまう

試作第2号

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試作第2号は第1号の反省から、溝の狭まった部分を中央に配置し、押し出した後に遊びとなる空間ができるようにしました。また、溝の幅を完成品より狭く 7.5mm としました。
使ってみたビデオ
これはこれでうまくいきましたが、まだ不満点がありました。

  1. 押し込むときの摩擦力が強い
  2. 真っすぐより少し内向きになってしまう

試作第3号

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試作第2号の問題の原因は、幅が狭すぎることと、最も狭い部分の全長が長過ぎることです。
そこで、幅を 7.6mm とわずかに広げ、最も狭い部分を1点だけとし、また FreeCAD のロフト機能で滑らかにつなぐことにしました。
結果は大成功です。まだちょっと摩擦が強い感じがありますが、使っているうちに金属のピンがPLAを削ってしまうので、これ以上幅を広くするとすぐにユルユルになってしまうでしょう。

ピンが真っ直ぐになるのが気持ちよくなってしまい、気がつくと手持ちのDIPを10個以上突っ込んでしまいました。
この第3号のSTLファイルは thingiverse にアップロードしています。皆さんも是非プリントして使ってみてください。

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ツイッターでミタ式アンプと名乗っております https://twitter.com/mtyk1t
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