【機械工学？】火加減まで自動！？ガスコンロでご飯を炊くロボット装置を作ってみた

概要・基本構成

①ホームセンターにあるフライパンとカセットコンロを使用
　アルミフレームはNICオートテックより購入
　電子工作でおなじみArduinoを使用

②上記①を組み合わせて、加熱調理ロボット的な装置を構成

③今回は試しにお米を炊いてみる

解説

Youtube解説動画

ニコニコ動画解説
https://www.nicovideo.jp/watch/sm44920465

ポイント

●Arduinoでカセットコンロの火力制御
●フライパンも使って、半自動加熱調理　今回はお米
　火力調整は、点火、中火、弱火、消火を時間計測で切り分け
●カセットコンロは改造せず、ハンドルに外付けの回転・点火機構を搭載
●ハンドルの回転位置を、可変抵抗で読み取り
●9V乾電池を使用　リチウムイオンバッテリーは不使用(火を使うのでなるべく使用避けたい)

特殊な機材は不要で、ホームセンターで売られているものでも使用できます。

1⃣本体ハード

本体の外観はこのようになっています
アルミフレームはNIOCオートテックから購入
ジョイントアングル材もNICで購入可能ですが、3Dプリンターで造形してコストを抑えています

ギアボックス構成　モータ~可変抵抗

ギアボックス　可変抵抗～カセットコンロハンドル
可変抵抗とハンドルは同軸上に配置されています。　可変抵抗は秋月電子にて販売されています
これで、回転位置を読み取り、火力調整が可能になります

2⃣電気電子回路

外観はこのようになっています

ただこれだとどうつながっているか全くわからないと思うので、簡易的な回路図がこちらになります
(クリック推奨です)

モータドライバーはMDD3Aという、タクトスイッチが搭載されたものを使用しています。
これで、Arduinoを接続しなくても、電力を供給していれば、タクトスイッチを押して
モータを回転させ、火力調整の事前確認であったり、
コンロでトラブルがあった際に、Arduinoの電源を切って、モータドライバーのスイッチを押して
コンロのハンドルを消火位置まで回転できます(配線が生きていればですが・・・)

3⃣プログラム

const int INPUT_PIN = A1;    
 int pin3 = 3;
 int pin5 = 5;
 int VOLUME;                  
 int timec;
enum State {
    IDLE, IGNITION, ADJUST_FIRE, COOKINGS, COOKINGF, FINISHED
};

State currentState = IDLE;
unsigned long stateStartTime = 0;


void setup() {
    Serial.begin(9600);
  pinMode(pin3,OUTPUT);
  pinMode(pin5,OUTPUT);
}

void loop() {
   unsigned long currentMillis = millis();
   VOLUME = analogRead(INPUT_PIN);  // アナログ値の読み取り       
   int angle = map(VOLUME,0,1023,0,180);
   Serial.print("angle: ");        // シリアルモニタに出力 
   Serial.println(angle);   
   Serial.print("モード: ");        // シリアルモニタに出力 
   Serial.println(currentState);          

    switch (currentState) {
        case IDLE:
              Serial.println("待機中...");
            if (digitalRead(12) == LOW) { // スイッチが押されたら開始
                analogWrite(pin3,0);
                analogWrite(pin5,0);
                currentState = IGNITION;
            }
            break;

        case IGNITION:
            if(angle>135){
                Serial.print("ハンドル回転");
                Serial.println(angle);
                analogWrite(pin3,0);
                analogWrite(pin5,100);
                stateStartTime = currentMillis;
            }
            else{
                  Serial.println("点火中...");
                  Serial.println(angle);
                analogWrite(pin3,0);
                analogWrite(pin5,0);
              if ((currentMillis - stateStartTime)/1000 >= 3) { // 3秒経過
                  Serial.println("点火完了");
                  currentState = ADJUST_FIRE;
                  }
              }
            break;

        case ADJUST_FIRE:
             if(angle<163){
                Serial.println("火力中火調整モード");
                Serial.println(angle);
                analogWrite(pin3,100);
                analogWrite(pin5,0);
                stateStartTime = currentMillis;
             }
             else{
                  Serial.println("中火維持 調理中");
                  Serial.println(angle);
                analogWrite(pin3,0);
                analogWrite(pin5,0);
              if ((currentMillis - stateStartTime)/1000 >= 240) {
                  Serial.println("中火終了");
                  currentState = COOKINGS;                  
              }
             }
            break;

        case COOKINGS:
             if(angle<166){
                Serial.println("火力弱火調整モード");
                Serial.println(angle);
                analogWrite(pin3,100);
                analogWrite(pin5,0);
                stateStartTime = currentMillis;
             }
             else{
                  Serial.println("弱火維持 調理中");
                  Serial.println(angle);
                analogWrite(pin3,0);
                analogWrite(pin5,0);
              if ((currentMillis - stateStartTime)/1000 >= 300) {  
                  Serial.println("弱火終了");
                  currentState = COOKINGF;                  
              }
             }
            break;

        case COOKINGF:
           if(angle<174){
                Serial.println("消火開始");
                analogWrite(pin3,100);
                analogWrite(pin5,0);
           }
           else{
                analogWrite(pin3,0);
                analogWrite(pin5,0);
                Serial.println("消火完了");
                currentState = FINISHED;
              }
             
             
            break;

        case FINISHED:
                analogWrite(pin3,0);
                analogWrite(pin5,0);
            Serial.println("炊飯完了！");
            while (true); // 停止
            break;
    }
    delay(100);
}

各火力調整の概念ですが、
よくある料理はハンドルやレバーを調整してから、中火で～分というように
調整し終えた時を０秒としてカウントしていると思います

今回のコードでは、ArduinoのスイッチをONにした瞬間を0secとして
ハンドルを特定の位置に達した瞬間を記憶しつつ、引き続き時間計計測を実施
そして、計測時間と、ハンドル位置に達した時間の差分をとって、中火、弱火の時間が今どれくらいなのかを
判断して、制御を行っています。

もし何かご質問がありましたら、コメントをください