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rily 2026年09月27日作成 (2026年10月06日更新)
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差動増幅回路のゲイン/入力カップリングコンデンサ

差動増幅回路のゲイン/入力カップリングコンデンサ

この前ディスクリートヘッドホンアンプを作ったわけですが、差動増幅回路をゲインを導出して公開しておきますね。オペアンプとかアンプを作るときに参考にしてください。

差動増幅回路のゲイン

JFET


次に初段のゲインを求めます。一つのJFETに流れるテール電流ItI_{t}が流れているときの相互コンダクタンスをgm(It)g_{m(I_{t})}とします。
It1≃It2≃It,R1=R2I_{t1}\simeq I_{t2}\simeq I_t,R_1=R_2とすると

AV(JFET)=VoutVin=Vout+−Vout−Vin+−Vin−{A_{V(JFET)}=\frac{V_{out}}{V_{in}}=\frac{V_{out+}-V_{out-}}{V_{in+}-V_{in-}}}

このときgmg_mによって出力される電圧VoutV_{out}は

Vout=R1,2It=gm(It)R1,2Vin=gm(It)R1,2(Vin+−Vin−){V_{out}=R_{1,2}I_t =g_{m(I_t)}R_{1,2}V_{in}=g_{m(I_t)}R_{1,2}(V_{in+}-V_{in-})}

そしてR1=R2R_1=R_2としたとき

AV(JFET)≃gm(It)R1{A_{V(JFET)}\simeq g_{m(I_{t})}R_1}

ですね。
近似値となるのは、gm(It)g_{m(I_t)}がItI_tによって変化するからです。
つまりゲインG(JFET)G_{(JFET)}は

G(JFET)≃20log10(gm(It)R1){G_{(JFET)}\simeq 20\log_{10}(g_{m(I_{t})}R_1)}

gm(It)g_{m(I_t)}はItI_tを増やすことによって増加するため、ItI_tを増やすことによりゲインG(JFET)G_{(JFET)}も増えます。

BJT

キャプションを入力できます
同じく差動増幅回路なので

AV(BJT)=VoutVin=Vout+−Vout−Vin+−Vin−{A_{V(BJT)}=\frac{V_{out}}{V_{in}}=\frac{V_{out+}-V_{out-}}{V_{in+}-V_{in-}}}

ここでBJTの相互コンダクタンスgm(It)g_{m(It)}によるItI_tは

It=gm(It)Vin{I_t=g_{m(I_t)}V_{in}}

このときgm(It)g_{m(It)}は

gm(It)=ItVT{g_{m(It)}=\frac{I_t}{V_T}}

ボルツマン定数kkと熱力学温度TT、電気素量eeで熱から得られた電子のエネルギーをeVeVとすると

eV=kT→VT=k(273+t)e{eV=kT\to V_T=\frac{k(273+t)}{e}}

gm(It)=eItk(273+t)=1.16×104×It273+t{g_{m(I_t)}=\frac{eI_t}{k(273+t)}=1.16\times 10^4\times \frac{I_t}{273+t}}

つまりItI_tは

It=eItk(273+t)Vin=1.16×104×It273+tVin{I_t=\frac{eI_t}{k(273+t)}V_{in}=1.16\times 10^4\times \frac{I_t}{273+t}V_{in}}

そしてR1=R2R_1=R_2としたときのVoutV_{out}は

Vout=ItR1=1.16×104×ItR1273+tVin{V_{out}=I_tR_1=1.16\times 10^4\times \frac{I_tR_1}{273+t}V_{in}}

つまり増幅率AV(BJT)A_{V(BJT)}は

AV(BJT)≃1.16×104×R1It273+t{A_{V(BJT)}\simeq 1.16\times10^4\times \frac{R_1I_t}{273+t}}

ゲインG(BJT)G_{(BJT)}は

G(BJT)≃20log10{1.16×104×R1It273+t}{G_{(BJT)}\simeq 20\log_{10}\{1.16\times10^4\times \frac{R_1I_t}{273+t}\}}

ItI_tとR1,R2R_1,R_2を同じ条件としたとき、ゲイン(増幅率)はJFETよりBJTのほうが大体大きくなります。
JFETのときと同様、ItI_tを増やすことによりゲインG(JFET)G_{(JFET)}も増えます。

ゲインまとめ

  • JFET

AV(JFET)≃gm(It)R1{A_{V(JFET)}\simeq g_{m(I_{t})}R_1}

G(JFET)≃20log10(gm(It)×R1){G_{(JFET)}\simeq 20\log_{10}(g_{m(I_{t})}\times R_1)}

  • BJT

AV(BJT)≃1.16×104×R1It273+t{A_{V(BJT)}\simeq 1.16\times10^4\times \frac{R_1I_t}{273+t}}

G(BJT)≃20log10{1.16×104×R1It273+t}{G_{(BJT)}\simeq 20\log_{10}\{1.16\times10^4\times \frac{R_1I_t}{273+t}\}}

ちなみに、片方の出力(Vout+V_{out}+あるいはVout−V_{out}-)のみを使用する場合、AVA_Vは半分になります。つまりGhalf=G−log10(2)G_{half}=G-\log_{10}(2)になります。

差動増幅回路のカップリングコンデンサ

  • バイポーラトランジスタやバイポーラ入力オペアンプでアンプを設計すると、ベース電流のカットオフするためのカップリングコンデンサを入れる必要が出てきます。
    • ですのでそれについて解説しておきます。

カップリングコンデンサつき差動増幅回路
カップリングコンデンサつきオペアンプ

  • バイポーラトランジスタはベース電流が常に流れます。またその電流は音量調整用可変抵抗にも流れてしまいます。その結果音量調整と同時に出力オフセット電圧が大きく変化してしまいます。
    • それを阻止すべく、ベース電流をカットするためのカップリングコンデンサがCcC_cになります。
    • Rb2R_{b2}はQ1Q_1にベース電流を供給するための抵抗になります。
  • ではベース電圧VBV_Bの周波数特性を求めて、適切なCcC_cとRb2R_{b2}を求めます。

ラプラス変換の際の、複素微分演算子ssは

s=jωs=j\omega

として
CcC_cとRb2R_{b2}を直列RCフィルタを見て、その直列インピーダンスZZは

Z(ω)=R+1sCc=sCcRb2+1sCcZ(\omega)=R+\frac{1}{sC_c}=\frac{sC_cR_{b2}+1}{sC_c}

つまりベース電圧VBV_Bは

VB≃Vin+ZRb2=sCcRb2sCcRb2+1Vin+V_B\simeq \frac{V_{in+}}{Z}R_{b2}=\frac{sC_cR_{b2}}{sC_cR_{b2}+1}V_{in+}

つまり入力カップリング回路のゲインGin+G_{in+}は

Gin+(ω)=VBVin+≃sCcRb2sCcRb2+1=(ωCcRb2)2+jωCcRb2(ωCcRb2)2+1G_{in+}(\omega )=\frac{V_B}{V_{in+}}\simeq \frac{sC_cR_{b2}}{sC_cR_{b2}+1}=\frac{(\omega C_cR_{b2})^2+j\omega C_cR_{b2}}{(\omega C_cR_{b2})^2+1}

また、位相ϕin+\phi_{in+}は

arctan(ωCcRb20)≃π2\arctan(\frac{\omega C_cR_{b2}}{0})\simeq \frac{\pi}{2}

ϕin+(ω)=π2−arctan(ωCcRb2)\phi_{in+}(\omega )=\frac{\pi}{2}-\arctan(\omega C_cR_{b2})

ここでωp=1CcRb2\omega_p=\frac{1}{C_cR_{b2}}としたときのゲインと位相は

Gin+(ωp)=jj+1=1+j2→∣Gin+(ωp)∣=22G_{in+(\omega_p)}=\frac{j}{j+1}=\frac{1+j}{2}\to |G_{in+(\omega_p)}|=\frac{\sqrt{2}}{2}

Gin+(ωp,log)=20log10(22)=−3[dB]G_{in+(\omega_p,\log)}=20\log_{10}(\frac{\sqrt{2}}{2})=-3[\text{dB}]

ϕin+(ωp)=π4\phi_{in+(\omega_p)}=\frac{\pi}{4}

また、ωp=1CcRb2\omega_p=\frac{1}{C_cR_{b2}}よりこのポール周波数をfpf_pとすると

2πfp=1CcRb2→fp=12πCcRb22\pi f_p=\frac{1}{C_cR_{b2}}\to f_p=\frac{1}{2\pi C_cR_{b2}}

またω=∞\omega =\inftyのときのGin+(ω=∞)G_{in+(\omega =\infty)}

limω→∞(Gin+(ω=∞))→ddω(sCcRb2)ddω(sCcRb2+1)=1\lim_{\omega \to \infty}(G_{in+(\omega = \infty)})\to \frac{\frac{d}{d\omega}(sC_cR_{b2})}{\frac{d}{d\omega}(sC_cR_{b2}+1)}=1

limω→∞(Ginv+(ω=∞))=1\lim_{\omega \to \infty}(G_{inv+(\omega = \infty)})=1

limω→∞(Ginv+(ω=∞,log))=0[dB]\lim_{\omega \to \infty}(G_{inv+(\omega = \infty,\log)})=0[\text{dB}]

となります。(ロピタルの定理で極限をゴリ押しました)
よってGin+G_{in+}のボード線図を描くと

手描きボード線図

またRb2R_{b2}のときの直流オフセット電圧VoffsetV_\text{offset}は

Voffset=R2IthFE(Q1){V_\text{offset}=\frac{R_2I_t}{h_{FE(Q_1)}}}


これらをまとめると

  • フィルターのゲインが一定になるポール周波数fpf_pは

fp=12πCcRb2f_p=\frac{1}{2\pi C_cR_{b2}}

このfpf_pが低いほど低域が出やすくなります。カップリングコンデンサに 電解コンデンサ などを用いてCcC_cを大きくし、fpf_pをなるべく下げるのがコツです。
人間は 最低可聴周波数が20Hz20\text{Hz} と言われているので、fpf_pが その周波数未満 にできるといいかもしれません。

  • Rb2R_{b2}のときの直流オフセット電圧VoffsetV_\text{offset}は

Voffset=R2Iin+=R2IthFE(Q1){V_\text{offset}=R_2I_{in+}=\frac{R_2I_t}{h_{FE(Q_1)}}}

R2R_2の値に 比例して直流オフセット電圧が増加する ので、数mV\text{mV} 台まで にしてオフセット電圧調整ができればそこで打ち消しましょう。

  • ω=2πf\omega =2\pi fとしたときの入力カップリング回路の複素ゲインGin+G_{in+}と位相ϕin+\phi_{in+}は

Gin+(ω)=(ωCcRb2)2+jωCcRb2(ωCcRb2)2+1G_{in+}(\omega )=\frac{(\omega C_cR_{b2})^2+j\omega C_cR_{b2}}{(\omega C_cR_{b2})^2+1}

Gin+(log)(ω)=20log10((ωCcRb2)4+(ωCcRb2)2(ωCcRb2)2+1)G_{in+(\log)}(\omega )=20\log_{10}(\frac{\sqrt{(\omega C_cR_{b2})^4+(\omega C_cR_{b2})^2}}{(\omega C_cR_{b2})^2+1})

ϕin+(ω)=π2−arctan(ωCcRb2)\phi_{in+}(\omega )=\frac{\pi}{2}-\arctan(\omega C_cR_{b2})

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※不注意が凄いので、間違ったこと結構書いてます。私の通りに組んで事故に至ったとしても責任を負いかねますのでご注意を。 ※この記事を書くのにAIは使ってないです。
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