Raspberry_Pi
2012年に開発されたシングルボードコンピュータ。自宅サーバーとして使用したり、キーボードやマウス、モニタを接続してパソコンとして使用することも可能。愛称は「ラズパイ」。
目次
概要
Raspberry Piは、名刺サイズの小さなシングルボードコンピュータである。
キーボードやマウス、モニタを接続すればパソコンとして使用することも可能。
一般的なパソコンと比較するとコンピュータとしての性能は劣るが、LinuxなどのOSをインストールして動作できる。
価格は、$5~$35(600円~4,000円)と安価で、「ラズパイ」という愛称で親しまれている。
特徴
Raspberry Piは2012年12月、Raspberry Pi財団によって開発された。
もともとコンピュータ学習などの学校教育用で作られたため、安価に仕上がっている。
初代は3,500円で販売され、発売初日に10万台以上売れた。
HDDを内蔵していない代わりに、SDカードを装着して使用する。性能は最新のコンピュータには劣るが、パソコンとして使える。
ARMプロセッサを搭載しており、CPUに直結したGPIOがついているのが特徴。
低消費電力
Raspberry Piは消費電力を抑えた作りになっている。
Raspberry Pi3 B+の場合、5V、2.5Aなので消費電力は12.5W。1年間つけっぱなしにしても電気代は年間3,000円しかかからない計算である。
OSが動作
Raspberry Piは、micro SDカードにインストールしたOSを動作できる。
対応しているOSは以下の通り。
- Debian
- Fedora
- Arch Linux
- Ubuntu
- raspbian
- RISC OS
- Windows 10 IoT Core
「raspbian」はラズパイ用のDebian系OSで、公式サイトより無料で配布している。約10万円で販売されている数式処理システム「Mathematica」を無料で利用できる。
初心者にはOSをインストールするラズパイ専用ソフト「NOOBS」からraspbianをインストールするのがおすすめである。こちらも公式サイトで無料配布されている。
開発言語
Raspberry PiはPythonでの開発が推奨されているが、C言語やRuby、Javaなどの言語でも開発は可能。
子ども向けビジュアルプログラミング言語Scratchにも対応している。
画像処理が可能
GPUはモバイル向けの「Video Core IV」を搭載。2014年2月にBroadcom社から寄贈され、公式にリファレンスガイドが公開されている。
これによりグラフィックの分析・処理などが可能に。
ラズパイ専用のカメラモジュールと組み合わせてペットの見守りガジェットなどの開発が可能。
用途
Raspberry Piは、有線(LAN)・無線(Wi-Fi/Bluetooth)のネットワーク接続が可能であることや、HDMI出力・USBポート・LANポートなど機器本体につなぐためのインターフェースが充実しているため、IoTプロジェクト開発に向いている。
そのためIoTに使えるセンサー(温度・湿度・気圧・圧力・光など)が数多く販売されている。モノを移動させるためのモジュールなどもあるため、ボードを組み込んだロボット開発も可能。
またLinuxなどのOSを動作できることから、自宅用のWebサーバとして使用する人も多い。なお性能が求められる大きなプロジェクトのWebサーバには向かない。
開発に必要なもの
Raspberry Piシリーズのボードで開発を始める際に必要なものは以下の通り。
- キーボード
- マウス
- モニタ
- micro SDカード
- USB電源アダプタ
- micro USBケーブル
モニタはHDMIケーブルでつなぐので自宅にあるテレビでも代用可。
Raspberry Piは「FAT32」というファイルシステムに対応しているため、micro SDカードは「micro SDHC」を使う。
64GB以上のSDカードを使用する場合は、ファイルシステムが「exFAT」となっているため、その状態では使用できない。フォーマットをFAT32に変換する必要がある。
USB電源アダプタはボードに合った電力を供給できるものを使用する。ちなみにPi3は2.5Aの電源供給が必要となる。
Raspberry Piボードは電源供給用のUSB端子がUSB micro Bなので、ボード側がUSB micro Bになっているケーブルが使用できる。
Arduinoとの違い
ちなみに同等のマイコンボードとしてArduinoと比較されることが多いが、中身はかなり違う。
分かりやすく説明すれば、ラズパイはコンピュータであり、Arduinoはコンピュータの一部である。
電子工作やプログラミングの知識がない初心者が選ぶなら、まずプログラミングを学びたい人はラズパイ、まず電子工作を楽しみたい人はArduinoがおすすめ。
またArduinoと違い、Raspberry Piはオープンソースハードウェアではない。
種類
現在個人の趣味向けに販売されているボードが7種類、産業用が4種類ある。
国内正規代理店は「RSコンポーネンツ」である。Wi-Fi・Bluetoothを搭載している機種も登場している。
個人向けで今買えるボードは以下の通り。
- Raspberry Pi Model A+
- Raspberry Pi Model B+
- Raspberry Pi2 Model B
- Raspberry Pi3 Model B
- Raspberry Pi3 Model B+
- Raspberry Pi Zero
- Raspberry Pi Zero W
販売終了となった製品
- Raspberry Pi1 Model A
- Raspberry Pi1 Model B
参考
- Raspberry Pi — Teach, Learn, and Make with Raspberry Pi(公式)
- Raspberry Pi - Wikipedia
- ラズパイで何かしたい!と思った人のためのまとめ!(1) Raspberry Pi 初級編 | Device Plus - デバプラ
- 自作でIoTしよう! 超小型PC「Raspberry Pi=ラズパイ」 の魅力とは? - 価格.comマガジン
- 【難易度順】Raspberry Pi (ラズパイ)でできること10選!! スマートホームやウェアラブルデバイスも作れる!! | Workship MAGAZINE(ワークシップマガジン)
- Raspberry Piとは?|その特徴とラズパイでできる3つの事|フリエン
- Raspberry Pi(ラズベリーパイ)とは?ラズパイでできることまとめ | IoTターミナルLAB